期待以上の成果を上げる目標設定のコツ

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人は誰もが「目標」を必要とする。組織の部門を任された時や、何らかの取り組みを新たに始める時には、達成すべき目標を設定するものだ。目標は誰でも簡単に設定できるが、劇的な成果をあげるためには、達成可能で現実的かつ、やる気を高めるような目標を掲げる必要がある。

私がまず考えるのは、「何を目指すのか」だ。次に、「その目標達成は重要な違いを生むか」を自問する。米アップル創業者のスティーブ・ジョブズの言葉を借りれば、「宇宙に衝撃を与えられるか」ということだ。

設定したハードルがあまりにも低すぎるということに気づかず、目指している大きな到達点に達せない企業も多い。逆に、ハードルを上げすぎても、最初からあきらめムードがただよい、結果として何も得らない。

私は、立てた目標は必ず達成したい完璧主義者であると同時に、挑戦的だが達成できれば素晴らしい目標を掲げたいタイプだ。私の経験上、全目標を完全に達成して平凡な結果に終わるよりも、たとえすべてを達成できなくともできるだけ高い目標を掲げた方がよい。

大きな目標を掲げ、達成していくのに役立つ5つのステップを以下に紹介しよう。

1. 目標に取り組むメンバーの実力を知る

まずは、メンバーたちがどれだけ優秀で、どんな働きをするかを熟知しておく必要がある。

2. 達成を誇れる目標を描く

自分にとって素晴らしい成果とは何かを考える。

3. 肩肘を張らない

とても野心的な目標設定は、自分の実力に自信のないメンバーのやる気を削いでしまうかもしれない。目標が高すぎると、何かを実現するために必要なコミットメントは得られない。

4. 目標を再検討する

目標は、自分にとっても、チームのメンバーたちにとっても納得できるものでなければならない。目指すべきは、若干の不安を呼び起こしつつも現実的な目標だ。達成期限は次の四半期ではなく、9か月後に設定する。90日間では、メンバーは怖気づいてしまう。9か月なら、より意欲的な目標も受け入れられる。時間に余裕があれば、何だって達成可能だと思えるものだ。

5. 再検討した目標と達成計画を示す

ここまでのやり方が正しければ、設定した目標は挑戦的でありながらも、達成可能と思えるものになっているはず。筆者がイーベイに在籍していた2000〜2001年ごろ、同社の年間売上高は5億ドル(約560億円)ほどだったが、当時のメグ・ホイットマンCEOは「2005年までに30億ドル(約3400億円)」という目標を掲げた。私たちは、ケネディ大統領が「月へ人間を送る」と宣言した時のような気分となった。最初はどうすればいいか分からなかったが、目標達成までの道筋が明確になると、全員が目標へ向かって突き進んだ。

こうした目標を次々とクリアしていくうちに、意欲的な目標を安定して達成する方法が身につく。さらに素晴らしいことに、それまで受け身だったメンバーたちが、私の期待を超える高い目標を自ら立て、それを達成できるようになるのを私は見てきた。チームメンバーの有り余る勢いを抑えなければいけないときほど、私にとって嬉しい瞬間はない!

編集=遠藤宗生

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