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M-SUR / Shutterstock.com

先日、スポティファイと中国のテンセント傘下の音楽配信企業「テンセント・ミュージック・エンターテインメント・グループ(TME)」が、相互の10%の株式交換に向けて交渉中と報じられた。両社は2018年に新規株式公開を予定しているという。

テンセントの時価総額は現在、5000億ドル(約56兆円)を突破している。傘下のTMEの企業価値は約100億ドルといわれる。

今回の取り組みは両社に巨大なメリットをもたらすことになる。互いがコストを抑えつつ、新たな市場への足がかりを獲得することになる。また、両社が手を組むことにより、今後の大手音楽レーベルとの交渉も有利に進む。音楽ビジネスを行う上で、楽曲の配信権の獲得は生命線だ。提携から得られるメリットは非常に大きい。

音楽業界に詳しいアナリストのMark Mulliganによると、TMEが中国で抱えるユーザー数はスポティファイの約3分の1で、有料ユーザー数は2〜3%程度という。また企業価値ではスポティファイが160億ドルに対し、TMEが100億ドルとなっているが、スポティファイは追加で資金を注入してでもこの提携を実現させたい構えだ。

今後の市場規模を考えればスポティファイにとって中国は非常に魅力的な市場だ。TME は中国で複数の音楽ストリーミングサービスを展開し、月間アクティブユーザー数は約7億人にのぼる。

テンセントは過去にも同様の投資スキームを行ってきた。同社はテスラやスナップをはじめ、最近ではアンディー・ルービンが創業したテクノロジー企業の「Essential Products」にもマイノリティ出資を行っている。また、「League of Legends」で知られるゲーム企業「Riot Games」を傘下に収めている。

テンセントはかつて、スポティファイを買収しようとしたが、交渉は決裂したと伝えられている。両社にとって今回の提携は、win-winの取り組みになるに違いない。両社の姿勢が唯一食い違っているのは、スポティファイが比較的短期的な成果を視野に入れているのに対し、テンセントはずっと長いスパンで成長を描いている点だ。

編集=上田裕資

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