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Covering education, enterprising women and special projects.

Chinnapong / shutterstock.com

「私たちは子どもの頃から、学校でちゃんと勉強すれば大学に進学できると言われ育ってきました」と、サライ・エスピノサ・サラマンカ(27)は言う。「でも、不法滞在者は普通の人と同じようにはいかないとは、誰も教えてくれませんでした。不法滞在者にとっては、大学進学はずっと大変なのです」
 
サラマンカは、米国内の滞在許可を持たない高校生が大学進学用の奨学金を探すことができるアプリ「ドリーマーズ・ロードマップ(DREAMers RoadMap)」を開発し、運営企業の最高経営責任者(CEO)を務めている。

4歳の時、11人きょうだいの末っ子としてメキシコからカリフォルニアに移住したサラマンカ。このアプリは、そんな彼女の情熱が込められたプロジェクトだ。

サラマンカの家族で、中学校と高校を卒業し、大学に出願したのは、彼女が初めてだった。だが、彼女と同じ境遇の人は他にも大勢いる。不法滞在者の支援を行うNPO「公平な考慮のための教育者たち(Educators for Fair Consideration)」の推定では、毎年6万5000人の不法滞在者が高校を卒業するが、大学卒業者は1万人しかいない。

不法滞在する多くの高校生と同様、サラマンカが抱えていた悩みの一つに、自分が大学進学を希望する初の世代でもあったという点がある。自分の家族には、大学出願について相談できる人が誰もいなかったのだ。しかし最大の障害は、授業料の捻出だった。

相談したカウンセラーは政府の奨学金の情報しか持ち合わせておらず、サラマンカには応募資格がなかった。「とてもつらくて、打ちのめされました。大学進学を目的に一生懸命勉強してきたのに」

サラマンカが他と違うのは、2015年にカリフォルニア州レッドウッドシティーの2年制大学であるカニャーダ・カレッジを実際に卒業したという点だ。

そしてサラマンカは今、不法滞在者の高校生が個人や慈善団体の資金援助を受けて大学を卒業できるよう支援をしている。

「人々の人生の道筋を変えるため、ドリーマーズ・ロードマップを開発することを決めました」とサラマンカは語る。「私は、教育がいかに重要かを知っています」

編集=遠藤宗生

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