「全ての通貨はデジタル化されるべきだ。現金の時代は終わりつつある」とフィンテック企業「Bitt」創業者のGabriel Abedはジャマイカで開催された「TechBeach Retreat」の場で述べた。
Abedはパネルディスカッションで、仮想通貨やブロックチェーン技術について地元の起業家や、金融業界のメンバーらと語り合った。参加者の中には「カリブ開発銀行(Caribbean Development Bank)」のJustin Ramもいた。
「仮想通貨の普及により金融業界は劇的に変化する。国家の中央銀行が仮想通貨を発行する流れも起きている」とAbedは述べた。
ビットコインやイーサリアムといった仮想通貨は一般的に民間企業らが発行し、マイニングが行われている。しかし、ロシアは国の仮想通貨「クリプトルーブル(CryptoRuble)」の導入を発表。中国やキルギスも独自の仮想通貨発行計画を進めている。
「仮想通貨を国家通貨に採用するメリットは非常に大きい。仮想通貨の信頼性が担保され、決済の効率性も向上する」とAbedは話した。
AbedによるとBittは既にカリブ諸国でパイロットプログラムを始動させており、ジャマイカ中央銀行にテスト導入を提案中という。ジャマイカ政府はイノベーション推進のため、フィンテック関連のスタートアップを支援している。
カリブ開発銀行のRamは次のように述べた。「仮想通貨の導入にあたっては、初期段階で規制当局が深く関わらないことが望ましい。カリブ諸国を仮想通貨の実験場として開放すれば、この分野のパイオニアになれる」