ジャック・ドーシー、米国は「AI失業時代に備えるべき」発言

ツイッターのジャック・ドーシーCEO(Photo by Michael Cohen/Getty Images)

ツイッターのジャック・ドーシーCEOはこのところ話題にのぼる「AIが人間の仕事を奪う」という懸念について、自らの率直な意見を述べた。ドーシーは、米財務長官のスティーブン・ムニューシンの発言を引き合いに出し「AIにより到来する劇的変化に備えるべきだと」と話した。

ムニューシンは今年3月、「AIが米国人の雇用を奪うという話があるが、私にはその兆しすら感じられない。AIが人間の仕事を奪うのは50年から100年先のことだ」と発言していた。

「ムニューシン財務長官の発言は愚かであるだけでなく、無責任だ」とドーシーはジャマイカで開催されたテックイベント「TechBeach Retreat」のトークセッションで述べた。

テクノロジー業界ではムニューシンの認識は間違っていると指摘する声が相次いでいる。直近の「McKinsey Global Institute」のデータでは、AIやロボット技術の普及により、2030年までに世界で8億件もの仕事が無くなり、米国では3900万件から7300万件の仕事が消えるとされた。

米国社会は劇的な変化をむかえ、仕事の数が減少するか、少なくとも人々の働き方に大きな影響を与えることになる。これに対し政治家が準備を怠るのは、無責任だとドーシーは指摘した。

「私自身は未来を前向きなものとして受け止めている。しかし、変化が到来することは目に見えている」とドーシーは、ロボットやAI、オートメーションの普及で仕事が減少する未来について語った。

AI時代の到来をひかえ、我々は知識を高め社会システムの再構築の必要性も検討するべきだ。ドーシーはこれまで、個人のパワーを高める方向でイノベーションを進めてきた。彼が設立した決済企業「スクエア」は世界の人々に新たな決済手段を与えることをゴールに掲げている。

ムニューシン財務長官の発言はこれまで、多くの人々から批判されてきた。しかし、彼が考えを改めたかどうかは定かではない。

編集=上田裕資

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