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2017.12.09

南アフリカ・ワイン:その魅力に迫る5つのキーワード

テーブル・マウンテンからの絶景(2017年3月撮影)


海岸から近いワイン産地、ウォーカーベイ地区やエルギン地区は冷涼な気候で、注目の産地。ウォーカーベイ地区の「Ataraxia」ワイナリーでは、シャルドネやピノ・ノワールから、成熟したブドウの果実と、地質や冷涼な気候に由来するシャープな酸のバランスが取れた、透明感のある綺麗なワインが作られる。

エルギン地区の「Richard Kershaw Wines」では、マスター・オブ・ワインの醸造家が、同じ条件で育てたシャルドネとシラーのクローン違いのワインを作っており、世界的に人気を集めている。


Kershawワイン:土地に合った最適なクローンのシャルドネを栽培している。

ケープタウン郊外にある、「Klein Constantia」ワイナリーでは、歴史的な甘口ワイン「ヴァン・ド・コンスタンス(Vin de Constance)」が作られている。様々な成熟レベルのマスカット品種を何回にも分けて収穫し、別々に醸造して、ブレンドすることで、複雑な風味を出す。

「Cap Classique」と呼ばれる、シャンパンと同じ瓶内二次発酵の製法で作られたスパークリング・ワインもある。

5.次世代の醸造家

そして、若い世代の醸造家にも注目したい。はじめのうちは、醸造施設も畑も所有せず、友人のワイナリーや共同醸造所(カスタムクラッシュ)を使って、買いブドウからワインを作る。新世界のワイン産地らしい、自由な発想で、新しいブドウ品種を試したり、醸造方法に工夫をこらしたり、面白いワインが生まれている。


南アフリカでは野生のペンギンも見られる。

島 悠里の「ブドウ一粒に込められた思い~グローバル・ワイン講座」
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文=島悠里

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