サッカー界の男女不平等は、政治やビジネス、医学といったその他のどの分野よりも幅広くまん延し、深く根付いている。この問題の憂慮すべき重大さは、 英スポーティング・インテリジェンスが11月26日に発表した報告書の中でも指摘されている。
例えば、ブラジル出身のフォワード、ネイマールが現在所属するパリ・サンジェルマン(PSG)から2017~18シーズンに受け取る年俸は、およそ4380万ドル(11月27日の為替レートで英国ポンドから米ドルに換算、約48億円)だ。一方、各国の女子サッカーリーグのうち、年俸が高額の7リーグで活躍する選手たちに支払われる総額は、約4260万ドル。ネイマール一人分の年俸の額を下回る。
また、ネイマールの年俸はこれら7つのリーグがある各国(フランス、ドイツ、英国、米国、スウェーデン、オーストラリア、メキシコ)でプレーする女子選手1693人の年俸の合計とほぼ同額だ。
さらに、ネイマールは年俸に加え、エンドースメントその他の企業との契約などから多額の報酬を受け取る。だが、米国の女子サッカーの1部リーグでプレーする選手たちの年俸は、全員分を合わせて約540万ドルだ。
報告書によると、女子リーグのうち2017年の選手の年俸が上位の7リーグは、以下のとおりとなっている(金額は選手の年俸の総額)。
1位:ディヴィジオン・アン・フェミナン/ フランス─ 1360万ドル(15億2200万円)
2位:フラウエン・ブンデスリーガ/ ドイツ─ 1220万ドル
3位:FAウィメンズ・スーパーリーグ/ イングランド─ 550万ドル
4位:ナショナル・ウーマンズ・サッカーリーグ/ 米国─ 540万ドル
5位:ダームアルスヴェンスカン/ スウェーデン─ 340万ドル
6位:Wリーグ/ オーストラリア─ 170万ドル
7位:リーガMX フェメニル/ メキシコ─ 83万8656ドル