ウーバーにつきまとうカラニックの「亡霊」 急務のブランド変革

トラビス・カラニック前最高経営責任者(Photo by Michel Porro/Getty Images)


最初に社内、次に社外に焦点を当てる

ウーバーは、どういう会社だと思われたいのだろうか? 「ウーバー=悪夢」となっている現状を変えるのに、社名の変更とイメージの完全な刷新が必要なのであれば、そうすべきだ。

外側の印象は、内側の印象と一致しなければならない。ウーバー社内の業務体制は、最終的に世間が同社をどのように認識し、評価をするかを左右する。情報漏えい隠ぺいの問題は、非倫理的な社内の体制が外部の印象に悪影響を与えた良い例だ。業績の改善には自己改善が必要であり、そのためには価値観と信念から始めなければならない。

全てにおいて「コミュニケーション」を重視する

リーダーにとっての難題の一つは、一貫したメッセージを送ることだ。理由は2つある。第1に、会社のさまざまな部門間で目的に関するメッセージを一つにまとめること、それを一貫して保つことの難しさがある。

第2の理由は、これが単調な作業だということだ。リーダーであるあなたは、自身が持つビジョンであるそのメッセージについて既に理解しており、このメッセージを自分自身に繰り返す必要はない。にもかかわらず、このメッセージはあなた自身によって常に繰り返される必要がある。

廊下での会話、会議、電子メール、ウェブセミナーやウェブ会議、社外への発表など、あらゆる機会でこのメッセージを共有する。あなたの行動があなた自身で、あなたの行動は信念に基づいている。人々はあなたの行動と信念の両方を、常に見たり聞いたりする必要があるのだ。

ウーバーは、その価値が薄れる中で厳しい戦いに直面している。古いアイデンティティーのままで過ごせば、今後のアイデンティティーを新たに定義する貴重な時間を刻一刻と失っていることになる。

編集=遠藤宗生

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