同国に113店舗、ベトナムに4店舗を展開するSUSHI KINGを立ち上げたのが連続起業家の小西史彦(73)である。
小西は、東南アジアを船で回る日本政府の企画「青年の船」に参加した際にマレーシアに魅了され、1973年に同国に移住。73年に同国のペナン島で起業した。以来、靴販売店など70以上の事業を手掛け、現在はSUSHI KINGを傘下に抱える「テクスケム・リソーセズ」の会長を務めている。
今でこそ、インドネシアやブルネイに新規出店を計画できるまでに成長したSUSHI KINGだが、マレーシアでは幾多の苦難に遭遇した。味覚の違いや、イスラム教国ゆえのハラル認証といった壁である。
それでもみりんを使わず、150もの食品がハラルの基準を満たすようにするなどの努力が実った結果、昨年、ハラル認証を受けている。イスラム教圏へのさらなる進出への道が拓けつつある。
こにし・ふみひこ◎東南アジアで回転寿司チェーン「SUSHI KING」を展開するテクスケム・リソーセズの会長。1968年に国家記念事業「青年の船」に参加したのち、マレーシアへの移住を決意し、73年に同国のペナン島で起業。2007年には同国王より貴族の称号「タンスリ」を授与された。今春、『マレーシア大富豪の教え』(ダイヤモンド社刊)を上梓している。