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Forbes JAPAN 編集部 編集長


また、「テクノロジーで問題解決やアイデアの幅を広げた」と言われるのが、CPO(チーフ・プロダクト・オフィサー)の濱田優貴だ。濱田の入社は業界内で驚かれている。

彼は学生時代にウェブ企業「サイブリッジ」を共同創業。インターネットメディア事業を始め飲食業や教育事業、再生エネルギーなど領域を広げ、会社を成長させた。アイデアマンである濱田は、楽器のレンタル「音スタ」など、シェアリングエコノミーの走りと言えるサービスを数多く発案した有名人である。しかし、彼は「歯痒さを抱えていました」と言う。

「10年間、大きなチャレンジをしていなかったのです。そこで30歳のときにもう一度チャレンジしたいと会社を辞めました」

そのとき、「ランチでもしようよ」と声をかけてきたのが、メルカリ創業1年目の山田進太郎だった。濱田にとって山田は同じ技術系の経営者として「憧れの先輩」。オフィスに遊びに行くと、「濱ちゃんは今後、何をやりたいの?」と聞かれた。

濱田が次のビジネスアイデアについて話すと、山田は「それはうまくいくとは思うけど」と言いつつ、メルカリの世界戦略を語り始めた。「この人、本気なんだ」。濱田はそう思ったという。日本でまだ成功したとは言えない段階で、一緒に世界を目指そうと言う山田に衝撃を受け、心の中で即決したという。

さまざまな経験をした者たちを結びつけているのが、メルカリの「ミッションバリュー」である。小泉が「入社して最初に取り掛かった」ものだ。商品やサービスに求心力がある会社は、プロダクトがうまくいかなくなると組織は求心力をなくして崩壊する。だから、会社と事業を切り分けて、彼らはミッションバリューを目指す組織づくりを徹底化させた。そうして結集した「個々人の歴史」は、会社の「資産」に昇華されたのだ。

■メルカリのミッション
・Go Bold
・All for One
・Be Professional


益田 尚◎執行役員。ソニー、ファーストリテイリング、グリーを経て、2014年シリコンバレースタートアップのフリマアプリ企業「Poshmark」に入社。VP of Growthとして、USのモバイルフリマ市場創造に尽力。17年4月より執行役員としてメルカリに参画。

藤崎研一朗◎執行役員。慶應義塾大学卒業後、アビームコンサルティングにて金融/商社クライアントを中心に、戦略立案・業務改善など多数プロジェクトを担当。2016年6月よりソウゾウ執行役員として参画し、新規事業を担当。17年6月、メルカリ執行役員就任。

掛川紗矢香◎執行役員。2009年6月グリーに入社し、海外子会社立ち上げ、グローバルアカウンティングマネジャーなどを担当。13年10月よりメルカリに参画。米国子会社設立、コーポレート基盤及び体制の確立などを手がけ、15年2月執行役員就任。

松本龍祐◎執行役員。2006年にコミュニティ企画・運営に特化したコミュニティファクトリーを設立。12年9月にヤフーへ会社を売却。同社アプリ開発室本部長を経て、15年5月よりメルカリに参画。新規事業を担当する、子会社ソウゾウの代表取締役社長に就任。

濱田優貴◎取締役CPO。東京理科大学在学中に、サイブリッジを立ち上げ取締役副社長に就任。受託開発の責任者を始めM&A、新規事業の立ち上げなどに従事。同社を2014年10月退社後、14年12月よりメルカリに参画。翌年1月執行役員就任。16年3月取締役就任。

小泉文明◎取締役社長兼COO。大和証券SMBCでDeNAなどのネット企業のIPOを担当。2007年ミクシィにジョイン。取締役執行役員CFOとしてコーポレート部門全体を統轄する。13年12月メルカリに参画。14年3月取締役就任、17年4月取締役社長兼COO就任。

長澤 啓◎執行役員CFO。2007年にシカゴ大学経営大学院を卒業の後、ゴールドマン・サックス証券にジョインし、東京及びサンフランシスコにおいて主にテクノロジー領域におけるM&AやIPOを含む資金調達業務を担当。15年6月にCFOとしてメルカリに参画。

文=藤吉雅春

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