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2017.12.01 18:00

日本の起業家ランキング2018、66歳・33歳の起業家がダブル1位

12月1日、パレスホテルで開催されたJAPAN'S START-UP OF THE YEAR 2018にて(写真=小田駿一)

12月1日、パレスホテルで開催されたJAPAN'S START-UP OF THE YEAR 2018にて(写真=小田駿一)

「自分が世界を変えられると本気で信じる人たちこそが本当に世界を変えているのだから」──かつてアップルのTVCMで流れていた印象的な言葉、スティーブ・ジョブスが大事にしていた哲学。
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あれから20年、日本、そして世界には、あらゆる領域で本気で世界を変えようと壮大なビジョンに挑んでいる人たちがいる。

フォーブス ジャパンは今年で4回目となる「起業家ランキングBEST10」を発表。12月1日、パレスホテル東京で表彰イベントを開催した。今年は、66歳の三輪玄二郎氏(メガカリオン)と33歳の松本恭攝氏(ラクスル)がダブルで1位を受賞。昨年から新たに5人が選出された。日本のスタートアップシーンを牽引する10人が描く、壮大なビジョンとは──。以下、BEST10を紹介する。


1位】 三輪玄二郎|メガカリオン
 ──iPS細胞で実現する、「輸血医療」のイノベーション

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設立:2011年9月9日 従業員数: ー 資本金:29億2047万円(資本準備金含む)
主な株主:産業革新機構、三菱UFJキャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、みずほキャピタル、日本アジア投資ほか
事業内容:iPS細胞株から高品質の血小板及び赤血球を産生し、献血に依存しない(1)計画的安定供給が可能で、(2)安全性が高く、(3)医療コストの低い、血液製剤の開発を目指す。2017年8月、国内企業15社と提携し、コンソーシアムを設立。

─WHY WE CHOSE HIM?

選考理由:2017年8月に国内15社と共同で、世界ではじめて「iPS細胞」から血小板を大量生産する技術を確立。医療のインフラとも言える輸血について、低価格で安全性が高く、かつ安定供給するための第一歩となり、先進国の献血不足、途上国での未整備な輸血システムといった世界規模での社会課題の解決につながる。事業のスケール感と実現した際の社会的インパクトの大きさが評価された。

三輪玄二郎◎1951年、東京生まれ。1974年に東京大学経済学部を卒業。84年、ハーバード大学経営大学院修士課程を修了し、ベイン・アンド・カンパニーに入社。その後、複数の会社を創業し、代表取締役を務める。2011年9月にメガカリオンを創業。

1位】 松本恭攝ラクスル
 ──ヤマトと資本提携、ハコベルで起こす「物流革命」

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設立:2009年9月1日 従業員数:154名(パート・アルバイト含む) 資本金:79億円(資本準備金含む)
主な株主:オプト、グローバル・ブレイン、WiL、GMO VenturePartners、日本政策投資銀行、フィデリティ投信ほか
事業内容:印刷所の非稼働時間を利用した、印刷のeコマース事業を展開。2015年12月にはトラックのドライバーの空き時間を活用した配送サービス「ハコベル」をスタート。17年7月にはヤマトホールディングスとの資本提携を発表。

WHY WE CHOSE HIM?

選考理由:印刷業界、物流業界に「シェアリング・エコノミー」という新しい仕組みを導入し、変革を起こしている。また、累計79億円の大型資金調達を実施し、シリコンバレー流の赤字を掘り事業拡大する“J字カーブ”を描く経営手法、7月にヤマトホールディングスとの資本提携も実現させるなど、IPO(株式公開)を見据えて、着実に実績を出し、成長し続ける「優れた経営者・経営チーム」が評価された。

松本恭攝◎1984年、富山県生まれ。慶應義塾大学商学部を卒業後、外資系コンサルティング会社A.T.カーニー入社。クライアント企業のプロジェクトに従事し、印刷費のコスト削減率の高さに注目。2009年、印刷サービスを手がけるラクスルを創業。

3位】 岡田光信|アストロスケール
 ──11月に打ち上げ予定、「宇宙ゴミ」除去を目指す

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設立:2013年5月 従業員数: ー 資本金:5300万ドル
主な株主:産業革新機構、ジャフコ、三菱UFJキャピタル、エースタート、ANAホールディングス、オーエスジーほか
事業内容:活動を終えた人工衛星やロケットの破片などの「宇宙ゴミ(スペース・デブリ)」の除去をミッションに、宇宙事業を手掛けている。2017年9月、JAXAとの共同研究契約を締結している。

WHY WE CHOSE HIM?

選考理由:世界で1社しかない「宇宙ゴミ(デブリ)の除去」という壮大な挑戦をする、シンガポール本社のスタートアップ。米航空宇宙局(NASA)アジア代表をCOOとして招いた、世界に通用する経営手腕と、宇宙ゴミを観測する超小型衛星を11月末に打ち上げ予定している実績が評価された。

岡田光信◎1973年、兵庫県生まれ。95年、東京大学農学部卒業。2001年米バデュー大学でMBA取得後、マッキンゼー入社。IT企業のCFOとして東京、北京、デリーで活動。13年、アストロスケールを設立。

4位】 寺田親弘|Sansan
 ──GSも資本参加、世界の名刺管理アプリ

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設立:2007年6月 従業員数:ー 資本金:46億716万円(資本準備金含む)
主な株主:ニッセイ・キャピタル、産業革新機構、未来創生ファンド、DCM Ventures、Salesforce Venturesほか
事業内容:企業向けクラウド名刺管理サービス「Sansan」、個人向け名刺管理アプリ「Eight」の開発・運営を行う。2017年9月からEightの海外版をリリース。アジア・インド地域での展開を推し進めている。

WHY WE CHOSE HIM?

選考理由 8月に約42億円の資金調達を実施、11月にもゴールドマン・サックスなどから出資を受けて、東南アジアなど海外展開を加速させる。安定的な事業実績ならびに、個人向け名刺管理サービスをインドで開始するなど、進化のための新たな取り組みを行っている点が評価された。

寺田親弘◎1999年、慶應義塾大学環境情報学部卒業後に三井物産入社。情報産業部門にてコンピューター機器の輸入、システム開発、Joint Venture立ち上げなどに従事。2007年、友人とともにSansanを創業。

5位】 南 壮一郎|ビズリーチ
 ──HRテックで多様な働き方を支える

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設立:2007年8月 従業員数:865名 資本金:41億円(資本準備金を含む)
主な株主:YJキャピタル、東京理科大学インベストメント・マネジメント、グロービス・キャピタル・パートナーズ、楽天ほか
事業内容:会員制転職サイト「ビズリーチ」ほか、3つの転職サイトを展開。16年6月、クラウド型採用管理システム「HRMOS(ハーモス)」をオープン。同年10月、学生向けサービスも正式にローンチした。

WHY WE CHOSE HIM?

選考理由:16年に約50億円の大型調達を実施し、クラウド型採用管理システムを始め、多様な働き方を支える、HRテクノロジー企業へと成長を続けている。売上高も右肩上がりで順調に推移し、従業員数800名を超える雇用創出など「高い経営者力」が評価につながった。

南 壮一郎◎1999年、米タフツ大学数量経済学部・国際関係学部卒業後、モルガン・スタンレー証券入社。2004年、楽天イーグルスの創業メンバーに。09年、管理職・グローバル人材に特化した「ビズリーチ」創設。

5位】 坂野哲平アルム
 ──日本初、保険適用が認められた「医療アプリ」

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設立:2001年4月 従業員数: ̶ 資本金:8000万円
主な株主:オプトベンチャーズ、サイバーエージェント、DVP投資事業組合、日本テレビ放送網、ベクトルほか
事業内容:初めて保険適用された医療関係者間コミュニケーションアプリ「Join」、救命・救急補助スマートフォンアプリ「MySOS」ほか、医療・介護、地域医療を軸に複数のサービスを展開している。

WHY WE CHOSE HIM ?

選考理由:日本で保険適用を受けた医療関係用アプリを、国内だけにとどまらず、海外6カ国でも展開。さらに海外で資金調達を行い、先進国・途上国問わずに30カ国までの事業拡大を視野に入れる。「社会課題解決」をグローバルで行い、すでに実績を残している点を評価した。

坂野哲平◎2001年、早稲田大学理工学部卒業。同年、デジタルコンテンツ配信サービスを手がける、スキルアップジャパンを設立。15年1月、医療ICT事業への本格参入に伴い、「アルム」に商号変更。
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文=フォーブス ジャパン編集部

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