3億人が読む米「バイラルメディア」帝国を作った36歳の男

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2011年には、月間数百万PVを稼ぐようになり、その年の5月にデンバーに本拠を置くスタートアップ、「Abuyo」に買収された。パイパーは、買収後も引き続き22 Wordsの責任者としてブログの運営に携わったが、Abuyoの事業転換に伴い、パイパーは22 Wordsの事業を買い戻し、再び自らが経営することになった。

その直後、パイパーは新たなCEOとしてJosh Sowinを採用し、ライターの数も大幅に増やした。Sowinの参加後、22 Wordsは急成長を遂げ、他のブログも買収しバイラルメディアネットワークのBrainjoltを始動させた。

Brainjoltの2016年の売上高は1700万ドル(約19億円)に達した。今年に入ってパイパーは複数の外部サイトを買収し、今年度の売上高は3000万ドル(約33億円)に達する見込みだという。同社の主な収益源は、プログラマティック広告だ。

これまで、22 Wordsの社員は各州に散らばって在宅勤務をしていたが、一つのオフィスに全社員が勤務できるよう、パイパーはロサンゼルスに新たな事務所をオープンした。現在、パイパーは妻と4人の子供たちとロサンゼルスに住んでいる。

当初、パイパーはBrainjoltの新事務所をミネソタに設置することを考えたが、多くの反対を受けて諦めた。「ミネソタで生まれ育った人でない限り、1年の3分の1が冷凍庫の中にいるような気温の場所で過ごすのは常軌を逸している」と彼はジョークを飛ばす。

「何百万人ものユーザーが読んでシェアしたくなるような、愉快で感情に訴えるコンテンツを作るという目標を掲げて日々業務に励んでいる。それを積み重ねることで、誰もが知っているブランドを築くという、長期的なゴールを達成することができる」とパイパーは話す。

現在、Brainjoltは米国において人口の半分に相当するユーザーにリーチし、世界中では3億人のユーザーを獲得している。同社が提供するバイラルコンテンツやクイズ、動画などはフェイスブック上で月間10億人にリーチし、月間1億セッションを突破している。

編集=上田裕資

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