2001年の9.11米同時多発テロ以降、テロによる経済損失は03年までは減少したものの、その後は増加傾向が続き、07年には410億ドルとなった。増加の主な原因は、イラク戦争だった。12年以降に再び大幅に損失額が増えたのは、過激派組織イスラム国(IS)の台頭によるものだ。14年には最も多い1040億ドルに達した。
テロ攻撃による経済損失が特に多くなるのは、紛争が起きている国だ。そうした国は大半が、中東と北アフリカ、サハラ以南アフリカ、南アジアの各地域に集中している。2016年に経済に最も深刻な影響を受けたのはイラクで、国内総生産(GDP)の24%に相当する金額を失った。次いで損失額が多かったのは、アフガニスタン(同13%相当)、南スーダン(同9%)だった。
2000~16年のテロ攻撃による経済損失
2000年: 90億ドル(約1兆円)
2001年: 760億ドル(9.11による損失額は650億ドル)
2002年: 130億ドル
2003年: 100億ドル
2004年: 190億ドル
2005年: 190億ドル
2006年: 240億ドル
2007年: 410億ドル
2008年: 310億ドル
2009年: 320億ドル
2010年: 270億ドル
2011年: 270億ドル
2012年: 460億ドル
2013年: 710億ドル
2014年: 1040億ドル
2015年: 910億ドル
2016年: 840億ドル