ブルームバーグの報道によると、ソフトバンクはウーバーの株式を、評価額480億ドル(約5.3兆円)で買い取ることを提案している。これは現状のウーバーの評価額の690億ドル(約7.7兆円)を30%下回る水準だ。ソフトバンクの担当者はフォーブスの取材に対し、コメントを避けた。
関係筋によるとソフトバンクは別のプランとして、現状の評価額690億ドルで、10億ドルを出資する用意もあるという。
ソフトバンクはウーバーの株式の少なくとも14%を取得したい意向だという。ウーバーは10月から役員会の組織改革を進めており、前CEOのトラビス・カラニックの役員会での影響力を引き下げたことが、出資受け入れへの道を開いた形だ。ウーバーの株主らは買い付けに応じるかどうかを、早期に判断することが求められている。一方で、初期の投資家たちからは「ウーバーの企業価値は約2年後には1000億ドルに達する」との声もあがっている。
ウーバーは先日、昨年10月のハッキング被害で5700万人の顧客データを流出させ、その事実を隠蔽していたスキャンダルが発覚した。この件が、今回の大幅な評価額の低下を招いたのかどうかは定かではない。
ソフトバンク側が目論む評価額480億ドルでの株式取得に株主らが応じない場合、この話は破談になる可能性もある。2週間前、「SoftBank Investment Advisers」のCEOを務めるラジーブ・ミスラは「この件はあくまでも協議中の案件であり、成立の可否は評価額や取得する株式のパーセンテージ次第だ」と述べていた。