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I write about my observations as an American entrepreneur in Europe.

lazyllama / shutterstock.com

「悪魔は細部に宿る」というが、あらゆる細部に落とし穴が潜むと言うなら、英国の将来には、うれしそうに踊る悪魔がいるということかもしれない。先行きが見えず、欧州連合(EU)からの離脱(ブレグジット)問題という悪夢に付きまとわれる英国には、話し合うべき「細かいこと」がいくつもある。

英国勅許調達供給協会(CIPS)が今年9~10月に実施した調査結果によると、EU各国の企業の3分の2程度が、サプライチェーンから英国企業を外す計画を立てているという。わずか6か月前の同じ調査では、そうした計画があると答えた企業の割合は44%だったことから、急増していることが分かる。

EU加盟27か国のいずれかのサプライヤーから供給を受けている英国企業の40% は、国内で新たなサプライヤーを探しており、この割合は5月の調査結果から9ポイント増加した。また、EU各国のサプライヤーとの取引の継続・強化を希望する英企業の割合は、26%だった。調査は英国・EU各国の企業のサプライチェーン担当の幹部1118人を対象に実施した。

CIPSのグループ最高経営責任者(CEO)、ゲリー・ウォルシュは、「離脱に関する政府の交渉チームは、協議には近く進展が見られると断言している。だが、EU側のパートナーから見放されそうな数多くの英企業にとっては、もう手遅れだ」「英国企業は顧客にもサプライヤーにも、交渉がまとまるまで待っていてくれとは言えない」と述べている。

調査ではこのほか、EU企業と供給・調達の取引のある英国企業について、以下の点が明らかになった。

・ 自国とEUの双方が「自由で摩擦のない貿易」で合意に至るとの確信を失いつつある企業は50%

・ 双方が交渉でブレグジット後の通商関係を明確に定めることができなかった場合、自社はその状況に対応することができないと考えている企業は35%

・ EU企業から請け負っている事業について、2019年3月の離脱以降に契約が切れれば、新たに契約を結ぶことは困難だと考えている企業は20%

・ すでにブレグジットを理由に仕事を失った企業は8%

・ 自社のビジネスの一部または全てが閉鎖に追い込まれると懸念している企業は14%

・ メイ首相が率の関税の適用と割当枠の維持に焦点を絞った交渉を行うことを希望する企業は73%

ウォルシュCEOはまた、次のように指摘している。「メディアは常にブリュッセル(EU本部)の動向を追っているが、英国とEUの将来の繁栄を決定付ける問題はその大きさに関わらず、全て閉ざされた扉の向こう側で交渉が行われているだけだ」

「どちらの側からも明確な方向性が示されないこと自体がすでに、英経済の将来を形作っている。そして、それは企業に信頼感をもたらすものではない」

編集=木内涼子

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