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金融分野では、「P2Pローンの専門家」も登場するかもしれない。彼らは借り入れ希望者の所得、不動産、金融取引実績のほか、SNS、ローン申込書の文章特性などを人工知能に分析させ、その信用力を評価することで、融資審査や金利を決定する役割を担うことになるだろう。

一方、製造業などの現場では、AIに設備の異常予兆を検知させる「予測修理エンジニア」の登場も現実的に想定できる。彼の仕事は、故障前にメンテナンスを行い企業の設備稼働率を向上させることだ。

AI・ロボット時代にはまた、正確かつ直感的に機械を制御するための「ユーザーインターフェイス(UI)」分野でも、新たな仕事が生まれるだろう。スマートフォンが普及し、音声や画面タッチを通じて機械を操作することが普通になったように、あらゆるモノが知能化される未来においては、同分野の技術革新が再び活発になると予想される。

職人の技術をどうロボットに教えるか

そのような文脈で見たときには、「五感制御の専門家」が登場するのはまず間違いない。その仕事の中身は、五感で仮想現実を体験する技術、もしくは仮想空間内のものを違和感なく操作するための技術を開発していくというものになるだろう。

産業用ロボット分野では、「ロボットトレーナー」も必要になってくるかもしれない。ロボットがこなすべきタスクを教育・訓練して、現場で運用していく職業だ。日本のある大手自動車企業の幹部は次のように話した。

「日本の自動車製造の現場では、職人不足が問題となっています。言いかえれば、技術をどう伝承していくかという課題が浮上してきているわけですが、将来的には、数少ない職人の技術を複数のロボットに教え込んでいくという方向性が重要になってくると思います」

ここで挙げた例以外にも、新たに生まれる仕事はきっと多いはず。視点を変えれば、新たな仕事が生まれなければ、真のAI・ロボット時代は拓かれないともいえる。当然のことかもしれないが、いかに機械が知能化すると言えども、それを生み出したり、利用するのはあくまで人間だからだ。

仮に新しい職業が生まれるとして、課題として浮上しそうなのは教育問題ではないだろうか。AI・ロボット時代に即した人材像をきちんと想定し、そこに向かって国や企業、そして個人が時間や予算を投じてこそ、新しい職業は現実的なものになってくる。

つまり「仕事が生まれる」のではなく、「仕事を生み出す」ためのグランドデザインが必要不可欠だ。世界中で語られる大量失業というバットエンディングを回避するためにも、人間の仕事の具体的な未来像を見据える努力が問われている。

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文=河鐘基

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