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大阪在住のフリーランスライター

京都国際映画祭2017(写真=吉本興業)

ドラムロールに続いて、優勝者としてNON STYLEの名前が呼ばれると、ホール内に歓声と拍手が鳴り響いた。吉本興業の芸人のネタを審査し、優勝を告げたのは、国連広報センター所長・根本かおる氏。

なぜ国連の広報を取り仕切る根本氏が、お笑いの審査員をつとめたのか。この日行われたM-1ならぬ、SDGs-1グランプリは、通常の漫才コンテストのように「面白ければ勝ち」というわけではなかった。面白さに加え、国連が提唱するSDGsをいかにうまくネタに盛り込んでいるかが審査のポイントだったのだ。

SDGsというのは、Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略で、国連によって2015年に採択された。「貧困をなくそう」や「飢餓をゼロに」「すべての人に健康と福祉を」「質の高い教育をみんなに」など、みんなで支えるSDGs、よりよい世界をつくるための17の目標で構成されている。

ではなぜ吉本が国連と組み、SDGsをPRしているのか。SDGs-1グランプリの開演前、根本氏に話を聞いた。

「SDGsはまだ、ほとんどの人にとって耳慣れない言葉だと思います。ですが、いくら国連がSDGsと言ったところで、多くの人は振り向いてくれません」

根本氏が言う通りSDGsは、一般的にはまだあまり知られていない。2015年の9月に採択されたSDGsについて、国連は2030年の達成を目指している。ところが目標のうちの一つ「貧困をなくそう」だけでも、格差問題がより顕著化する世界情勢の中で、決して簡単ではないことがわかる。そうした目標が17もある。

国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、今年の7月に国連報告書を発表した。そしてSDGsについて「取り組みは始まっていますが、時間が迫っています。この報告書は、多くの分野での前進が、2030年までにターゲットを達成できるペースをはるかに下回っていることを示しています」と語っている。

SDGsは、貧困や環境破壊、差別など、世界に広がる問題を解決するための目標である。国家レベルで取り組むべきことのように見えるが、結局、個人レベルで一人ひとりの理解と協力がなければ平和で格差のない、持続可能な世界はつくれないだろう。そのためにまずは、SDGsを数多くの人に知ってもらう必要がある。

そこで根本氏は、「国際協力に関心のある一部の方だけではなくて、より多くの方々に関心を持ってもらうための糸口として有力なのは何だろうかと考えました」という。そして今から1年ほど前に、吉本の大﨑洋社長に会い「思いのたけを直訴した」。

根本氏は神戸出身で、吉本のお笑いを見て育った。そして、国連の仕事でも、「私自身、途上国とか、紛争国でも長く仕事をしていました。その中で、お笑いの効用に気付かされました。紛争地帯にいると、いろんな意味でストレスがかかり、心も体もこわばります。それをほぐしてくれるのが、笑うということです。同じものを見て笑うと、立場の違うもの同士でも仲良くなり、距離が縮まります」と語ったように、笑いの効用を実感したことから、SDGsを吉本と一緒に伝える活動を発案したのだった。

文=大迫知信

 

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