HPEが同日発表した17年8~10月期決算は、売上高が前年同期比5%増の76億6000万ドル(約8540億円)と好調な内容だったが、ホイットマン退任の報せを受けて株価は午後の取引で7%以上の下落となった。
ホイットマンは役員会には残るが、2018年2月1日付で現社長のアントニオ・ネリがCEO職を引き継ぐ。ホイットマンは声明で「今こそ新たな世代に社の運営を任せるべき時が来た」と述べた。「ネリの支配下で会社がさらなる発展を遂げることを確信している」。
ハーバードビジネススクール出身のホイットマンは、30年以上にわたり様々な企業で要職に就いてきた。そこにはP&Gやベインカンパニー、ハスブロといった大企業が含まれる。なかでも1998年から2008年にかけてイーベイのCEOを務めた際には、売上を5700万ドルから80億ドル(約8900億円)にまで伸ばした実績を持つ。
その後、ヒューレット・パッカード(HP)に参画し2011年から2015年までCEOを務めた。その後、同社はHPとHPEに分社化され、ホイットマンはHPEのCEOとなった。2015年の11月からHPEの株価は30%以上の上昇を遂げていた。
ホイットマンに関しては今年の夏、ウーバーのトラビス・カラニックがCEOを解任された後、ウーバーのCEOを引き継ぐとの噂が浮上した。しかし、7月に彼女はその噂を否定し、「今後もHPEにフルコミットし、CEOで居続けるつもりだ」と述べていた。
ホイットマンはフォーブスが集計する「米国で自力で成功した女性富豪リスト」のテクノロジー部門のトップに立っており、資産総額は32億ドル(約3600億円)。資産の大半はイーベイ時代に築き上げたものだ。彼女は2017年の「自力で成功した女性富豪リスト」の総合ランキングでは6位に入っている。
また、フォーブスが世界で最も影響力の高い女性を選出する、2017年の「世界で最も影響力のある女性」リストでは12位に入っていた。