経済産業省によると、日本の上場企業の約6割(544社)が相談役・顧問が在任中。株主総会の決議を経ずに選任可能なため、実態が不透明。国内外の投資家からは「院政」を懸念する声もある中、2018年から企業が東京証券取引所に提出する報告書に、相談役・顧問の有無や勤務形態、役割を開示することになった。
一方で、「社長経験者のアドバイスは有益だ」という声も多い。そのため、経産省が3月にまとめた「コーポレート・ガバナンス・システムに関する実務指針」(CGSガイドライン)には「相談役・顧問が一律に良い・悪いというものではない」という文言が盛り込まれた。
とはいえ、相談役・顧問制度は、海外企業にはない、日本独特の制度。かつ、会社法に規定がなく、設置基準も企業によってバラバラ。
今回の改定は任意だが、株主や投資家に向けて、透明性が高まる方が、企業価値向上にもつながる。日本流ガバナンスは岐路を迎えている。