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積水化学工業 高下貞二 代表取締役社長

世の中に一歩先んじて際立つ得意技を持ち、磨きをかけるには何があるか──。かつ、持続的成長を続けるためにはどうしたらいいか、その答えが「環境」だった。


積水化学工業は4月、2019年度(2020年3月期)の売上高1兆2000億円、営業利益率10%、ROE12%の達成を目指す、意欲的な中期経営計画「SHIFT2019ーFusion」を発表した。特に目を引くのが、「環境」「社会」「ガバナンス」を指す「ESG」視点で持続可能な経営基盤を構築していく方針を打ち出した点だ。高下貞二はなぜ、ESGへの取り組みを強化するのか。

──経営とESGの関係をどのように位置づけているのか。

私たちは地球環境への貢献の一環として、「SEKISUI環境ウィーク」という環境貢献活動を毎年実施し、米国セントラルパークの外来植物駆除など様々な活動を行なっている。これは慈善事業ではない。なぜならば、社会への貢献こそが、私たちの事業であり、経営そのものだからだ。

それは、経営危機に瀕した当社を当時の大久保尚武社長(現相談役)が、1999年、経営改革の方針として「環境で際立つ会社」と旗を掲げたのが始まりだ。

世の中に一歩先んじて際立つ得意技を持ち、磨きをかけるには何があるか──。かつ、持続的成長を続けるためにはどうしたらいいか、その答えが環境だった。製品開発や技術開発の中心に環境を置き、確立したのが「エコロジー」と「エコノミー」を両立させた「環境貢献製品」だ。

その代表格が、今ではギネスブックで世界No.1の建築棟数に認定された太陽光発電システムを設置した住宅だ。こうした環境貢献製品を事業の柱として、売り上げを伸ばし企業として成長することは十分可能だ。また、住宅、建材、エレクトロニクス、車輌材料、メディカルをはじめ多様な事業を展開することで「S(社会)」への貢献を果たす。さらに、多様な人材がそれぞれ持ち味を発揮して競争力のある人材へと育つことが必要不可欠だ。そのための働き方改革などへの投資も行う。

そして、最後の「G(ガバナンス、統治)」は、企業が危機を招く要因は外部環境にあるのではなく、組織内の驕りや慢心による内部統制の緩みからくることが多い。そのため、社外取締役や社外監査役による厳しいチェックが重要になる。環境貢献製品で、売上成長を目指す「量的成長」と、収益性改善、有望分野への資源配分による営業利益率10%以上を目指す「質的転換」の両立を図る。

そして、多様な事業と人材育成を通じて社会貢献に寄与し、同時にプロセスをしっかりとチェックするガバナンスを強化することで、100年経っても存在感のある企業グループであり続けるようにしていく──。このように考えると、ESGはまさに経営そのものである。

文=伊藤博之 写真=Kay N

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