しかし、そういう場を除けば、その基準は特になくなる。そこでちょっと華やかなパーティや会食の席に相応わしい腕時計をここでオススメしたい。
そういったシーンでも、ベースとなるのはやはり薄型のドレスウォッチだ。ただ、ケース素材は、白色系ではなく、暖かく、ゴージャスな印象を与えてくれるゴールド。そのなかでも、イチオシは柔らかな発色のピンクゴールドのケースである。
これは、メーカーによってローズゴールド、レッドゴールドと名称が違うところもあるが、ブロンズカラーに近い色合いが大きな特徴である。
ピンクゴールドの腕時計は、2000年代の半ばから増えてきたもので、腕時計的にはわりと新しい色合いでもある。それまでは、ゴールドといえば、イエローゴールドを指していた。
しかし、ピンクゴールドのモデルがラインナップされると、人気が集中。とくにアジア人など黄色人種の肌の色に近いことから、日本でもかなりの人気となった素材でもある。それ以降、あっという間にピンクゴールドモデルが増え、いまでは、むしろイエローゴールドのモデルを捜すのが難しくなったくらいである。
では、どうやってピンク色にしているかというと、割金に銅を多めに使用しているからである。腕時計の場合、そのほとんどが18金であるが、これは純金である24金の75%が金で、残りの25%が金以外のもの(割金)となる。ピンクゴールドの場合、銀、銅などを加えているが、銅の割合が多いと、より赤くなるし、少ないと淡い感じになる。
レッドゴールドやローズゴールドと表記しているモデルは、この銅の割合がやや多めなのだろう。ピンクゴールドと記されているものより若干赤い感じがするのだ。
これにダイヤル色をホワイトもしくはオフホワイト、ストラップをブラウン系のレザーにすれば、とてもラグジュアリー感のあるエレガントな腕時計となる。またこれも特に基準はないが、インデックスの数字をローマ数字にすると高貴な感じに、アラビア数字にするとより柔らかくカジュアル感が出てくるのではないだろうか。
いずれにせよ、このモデルはケースの色合いが異なるので、時計店に行って、実際に腕に着けてみることが大切。自身の肌の色、着る服の傾向などを吟味して選ぶのがいいだろう。
A.LANGE & SÖHNE/ランゲ1 ムーンフェイズ
新ムーブメントによるムーンフェイズ・モデル。新しいコンセプトに基づき、天空ディスクとムーンディスクという二重ディスクを使うことで、大きな時間の流れを優雅に表現している。[手巻き、18KPGケース、38.5mm径、450万円 問:A.ランゲ&ゾーネ 03-4461-8080]
JAQUET DROZ /グランド・セコンド ムーン
縦にダイヤル、機構(サークル)を並べた8の字の独特のデザインを持つジャケ ドロー。122年46日に一度だけの修正しか必要としない “アストロノミカル・ムーンフェイズ” 機構を搭載したモデル。[自動巻き、18RGケース、43mm径、314万円 問:ジャケ・ドローブティック銀座 03-6254-7288]
BLANCPAIN/ヴィルレ ウィークリーインジケーター ラージデイト 8デイズ
美しいグラン・フーエナメルダイヤルの外周に週が記され、これをブルースチール製のサーペント針で表示する。9時位置のサブダイヤルには曜日表示、そして、6時位置にはラージデイトが配されている。[自動巻き、18KRGケース、42mm径、355万円 問/ブランパン ブティック銀座 03-6254-7233]