ビジネス

2017.11.26

ディズニーが社運を賭ける「自前」ストリーミングの勝算

chrisdorney / shutterstock.com


CBSも「自前ストリーミング」成功の兆し

近年の傾向を見る限り、視聴者はコンテンツの充実度に見合う値上がりには肯定的だ。2011年、ネットフリックスはDVD宅配レンタルとオンライン配信の両方を利用できる月額10ドルのプランを廃止し、DVDレンタルと配信をそれぞれ8ドルのプランに分割した。この方向転換は両方を利用する層にとって60%の価格上昇を意味し、約80万人が退会した。 しかし今年、最も会員数の多いHDプランが9.99ドルから10.99に値上がりした際は客離れは起きていない。視聴者の多くは、1月あたり1ドルの上昇はネットフリックスのオリジナル作品の豊富さに見合うと判断したのではないだろうか。

ディズニーと同様の方法がうまくいった前例がもう一つある。米最大の放送局CBSが運営するストリーミングサービス「CBS All Access」だ。CBSが高予算をかけて製作したドラマ「スター・トレック:ディスカバリー」をCBS All Accessでのみ配信(初回のみテレビでも放送)すると発表した時、多くの人々は同社の戦略に懐疑的な見方を示した。

しかし実際には、ドラマをきっかけにCBS All Accessの加入者数が急増し、現在も順調に伸び続けている。週に1話ずつ配信される「スター・トレック:ディスカバリー」は、ファーストシーズンが完了する前にセカンドシーズンの製作が決定した。(編集部註:「スター・トレック:ディスカバリー」は米国とカナダ以外ではネットフリックスが独占配信中)

ディズニーが所有するコンテンツの数は、ネットフリックスと比べると少ないが、CBSよりは多い。同社はまた、世界で最も多くのファンを持つエンタテインメント企業だ。価格と内容のバランスさえ見誤らなければ、ディズニーのストリーミングサービスは成功するだろう。

編集=海田恭子

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事