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2017.11.26

ディズニーが社運を賭ける「自前」ストリーミングの勝算

chrisdorney / shutterstock.com

ディズニーが2019年に開設するストリーミングサービスの内容が一部明らかになった。開始時のコンテンツ量はネットフリックスに比べるとはるかに少ないが、価格もネットフリックスより大幅に安くなるという。

この数年、ディズニーとストリーミングサービス、とりわけネットフリックスとの関係は大きな話題を呼んできた。昨年5月、ディズニーとネットフリックスは2012年から続く長い交渉の末、劇場公開後のディズニー製作映画をネットフリックスが独占配信する契約を発表。ディズニー製作映画には、「美女と野獣」や「アナと雪の女王」といったウォルト・ディズニーブランドの作品のほか、傘下のピクサー、マーベル、ルーカスフィルムの作品も含まれるため、このニュースはネットフリックス会員を大いに沸かせた。

しかし今年の8月、ディズニーはその契約を2018年末で終了し、2019年以降は自社のストリーミングサービスで配信することを宣言。ネットフリックスはマーベル作品(「アベンジャーズ」「マイティ・ソー」シリーズなど)とルーカスフィルム作品(「スター・ウォーズ」シリーズ)の配信権だけは保持できるように交渉を続けたものの、ディズニーは全作品をネットフリックスから引き上げる決定を下した。

この決定が視聴者を落胆させたことは言うまでもない。近年、映画会社やテレビ局が自前のストリーミングサービスを立ち上げる試みが相次いでいるが、視聴者にとっては、一箇所のプラットフォームで各社の作品を見られる方が便利だ。

このような状況でディズニーはいかにして会員を獲得するつもりなのか? 11月上旬、ディズニーCEOのボブ・アイガーは投資家向けの収支報告を行い、同社のストリーミングサービスに関するプランを一部開示した。

アイガーによると、ストリーミングサービスではディズニー製作映画の他に、オリジナルコンテンツも配信する。ディズニーは特にドラマシリーズに力を入れており、既にマーベルのキャラクターが登場する作品や、「スター・ウォーズ」、「モンスターズ・インク」、「ハイスクール・ミュージカル」の関連作品を製作中だという。

アイガーはまた、「我々の目標は開始時にできるだけ多くの会員を集めることだ」と語り、ネットフリックスやフールーなどに比べてはるかに安い月額料金を設定していると明かした。ただしコンテンツが増えるに従い、値上げする可能性はある。
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編集=海田恭子

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