ビジネス

2017.11.27

米名門VCに「女性幹部」が急増、ダイバーシティが成長の鍵に

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ベンチャーキャピタル(VC)の世界は、依然として男性優位社会だ。2016年のデータによると、VC業界の投資パートナーの89%を男性が占めている。

もちろん例外もある。Forerunner Venturesのクリスティン・グリーンは世界のトップ投資家を選ぶフォーブスの「ミダス・リスト」に選出された。また、アーラン・ハミルトンが立ち上げたバックステージキャピタル(Backstage Capital)は、主要メンバー全員が女性で、女性や有色人種、LGBTQなどのマイノリティが立ち上げたスタートアップに投資するVCとして知られている。

そんな中、名門VCとして名高いFirst Round Capitalは、女性パートナーのHayley Barnaをゼネラルパートナーに昇進させるとアナウンスした。同社が女性社員をトップのポジションに起用するのは今回が初めてだ。

Barnaはスタートアップ業界では知られた人物だ。彼女は化粧品サンプルのサブスクリプション企業「Birchbox」を自身で起業し、First Roundから出資を受けていた。その後、First Roundに投資家として加わったBarnaは、自らの経験を活かし有望なスタートアップの発掘に務めてきた。

「このポジションを得られたことを光栄に思う。それと同時に、今後は私のような女性投資家が、“女性だから”という理由でニュースを飾らない世界が実現するのが理想だと思っている。First Roundに長期的視野でコミットすることで、世界を変えていきたい」とBarnaは述べた。

同じタイミングで注目を集めた別の女性投資家がRebecca Kadenだ。Kadenはスターバックスのハワード・シュルツらがサンフランシスコで設立したVCのMaveronを離れ、彼女が育ったニューヨークに戻ってきた。

KadenはUnion Square Venturesに加わり、同社初の女性ゼネラルパートナーとなった。2015年のフォーブスの「30アンダー30」にも選出されたKadenは、Maveron在籍時には求人プラットフォーム「WayUp」への出資で注目された。

10月末、Union Square共同創業者のFred WilsonはKadenの起用について「会社の新時代の幕開けだ」とブログで述べた。「今後の時代を見据え、企業として人材の多様性を高めることは必須の課題だ。彼女の起用は我が社の決意の表明だ」

Wilsonは次のように続けた。「ダイバーシティを高め、異なる物の見方や、人とは違った体験を活かして適切な投資判断を行っていく。それこそが、会社の次の成長を生み出していくと信じている」

編集=上田裕資

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