この情報は共有しない方が良い。そもそもこれは、私的で個人的な情報だ。それに会社は、同部署内の他の従業員にどれだけの給与を支払っているかを明かそうとはしないはずだ。
あなたの直近の仕事が薄給だったとしたら、今までの給与情報を伝えると、これからも薄給で使われることになる。
応募者の今までの給与は、雇用主がそもそも知る必要のない情報だ。ここでは、あなたの過去の給与詳細を明かさずに、ネットでのエントリーを完了させる方法を紹介する。
ネット上の応募フォームの職務経歴に今までの職を一つずつ記入するとき、「入社時給与」と「退社時給与」の欄には同じ数字を書き込もう。これは実際の過去の年収ではなく、現在希望する年収にすること。
年収が5万ドル(約560万円)の仕事を探している場合は、今までの職歴の全ての入社時・退職時給与に「5万ドル」と書き込む。
それから、応募フォームの自由記入欄に「ここに記載した数字は全て、私の現在の希望年収(5万ドル)です」と書こう。自由記入欄がなければ、過去の職務経歴を1社付け足すときと同様に新たなセクションを作り、企業名・職務・日付を記入する代わりに「ここに記載した数字は全て、私の現在の希望年収(5万ドル)です」と書く。
雇用主はあなたの過去の年収を知る必要などないため、この方法は効果的だ。雇用主があなたの給与の変遷を知りたいと考えるのは、現職や前職よりもほんの少しだけ高い年収を提示することができれば非常に好都合だからだ。
しかし、雇用主が本当に知る必要があるのは、いくら払えばあなたを採用できるかだ。
会社に5万ドルの年収を希望していることを伝えれば、会社側は求人対象のポジションに鑑みてその可否を判断できる。このポジションの予算が5万4000ドル(約610万円)であれば、面接をすべきということになる。
もし予算が4万5000ドル(約510万円)しかないとしても、面接は行い、低い給料を受け入れるようあなたを説得しようとするかもしれない。あなたの方も、その仕事を本当に気に入れば、オファーを承諾するかもしれない。
重要なのは、企業に希望年収を伝えることだ。
もちろん、企業が全ての求人広告に想定年収の範囲を書いておきさえすれば、企業側だけでなく全ての応募者の側でも時間と労力の大きな節約になる。しかし企業がそうしてくれるようになるまでは、ここで紹介した方法を使い、情報をさらけ出し過ぎずに希望年収を伝えることが可能だ。