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高橋 祥子(左)、高橋 飛翔(右)

ともに大学中に起業、東大出身、名前が高橋……1400万人に1人という共通点を持つ、ジーンクエスト高橋祥子とナイル高橋飛翔。なぜ、起業という一見リスクの高そうな道を選んだのか。また、経営で大切にしていることは何なのか聞いた。(前回記事はこちら>>


祥子:京都大学農学部を卒業後、東京大学大学院に進むのですが、そこで糖尿病などの生活習慣病の予防メカニズムを遺伝子解析によって明らかにする研究に従事していました。

その大学院在籍中に立ち上げたのがジーンクエストなんですが、実は私、起業のことは一切考えていなかったんです。むしろビジネスは「悪」だという気もしていたくらい(笑)。

飛翔:僕の場合は、学業と両立している学生起業をしている先輩たちを「かっこいいな」と感じたのが起業のきっかけです。 もともとは、政治家になって、首相になって、この国を変えるようなすごい政策を通したいという夢もあって、一番首相の輩出数が多い東京大学法学部に進んだのです。でも、政治の世界はのし上がるのに時間がかかりそうだということに気づいて……。

一方、ビジネスの世界はスピード感が大事。しかも、グーグルのように学生が作ったものが数年後には何億人に使われるという可能性がある。国の中にとどまらず、国境を跨いで大成功できるとか、より多くの人の役に立てるのはビジネスだと確信したんです。それで、やるなら早い方がいいということで学生中に起業しました。

祥子:私も似ているところがあります。もともとは大学に残って研究をして教授になろうと思っていたのですが、自分がどんなにがんばっても年功序列な部分があるので。努力次第で結果が変わる環境の方がいいと思いました。

飛翔:そうなんだよね。「起業するのはリスクでは?」とよく聞かれますが、全然リスクではなくて、大企業や既存の枠組みの中で外部の変数に影響される方がリスクだと感じますね。自分で進められる方がはるかに楽しいし、むしろリスクは低いかな。

学業と仕事の両立での悩み

祥子:でも実際に起業すると、経営者と研究者との両立で悩みました。博士課程にいるときに会社を立ち上げたのですが、博士課程の研究者は365日一生懸命やってどうにか博士号を取れるというような感じだし、仕事もちゃんとやらないと中途半端になる。

会社にいるときは研究室への罪悪感、研究室にいるときは会社への罪悪感がありました。ドクターをやめたら会社に専念できるけど、研究者としての世界への発言力がなくなってしまう。

すごく悩んだときに、ある経営者に「相反することに挟まれた葛藤の中で価値が生まれる」と言われたんです。それからは自分の葛藤を受容することにして、研究か仕事に使う時間の選択について、自分を信じることにしました。つまり研究をしている時は研究に集中し、仕事をしている時は仕事に集中する。それによって集中力を120%発揮できるようになりました。葛藤に悩んだからこそ、集中力を最大限引き出すには自分を信じ切ればいいと気がつきました。

構成=星野陽子 写真=藤井さおり

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