ビジネス

2017.12.12 09:00

1400万分の1の確率で出会ったふたりが「起業」を選んだワケ

高橋 祥子(左)、高橋 飛翔(右)


メンターの選び方

祥子:私が会社を作った時は、経営者の知り合いが全くいなかった。それが今はたくさんいて、先輩経営者に相談するとすぐに返事をいただけるのはすごいと思っています。IT系だと起業している人がたくさんいて羨ましいですね。アドバイスをもらえないと、踏まなくてもいい地雷を踏んだりしてしまうこともありますから。
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今ではバイオベンチャーを立ち上げたいという研究者が私のところに相談にきたりするのですが、それにはできるだけ乗りたいと思っています。
 
飛翔:僕はメンターは少数がいいと思っています。自分に合うメンターを探すのは大変です。メンターは点で話を聞いても、とんちんかんなアドバイスしかできない。線になっていないとおかしくなってしまう。メンターという意味では、信頼できる人とやりとりしながら話した方がいいかなと思っています。

祥子:私は考え方が似ているメンターを選んだりしています。経営者はいろいろなタイプがいるじゃないですか。お金を稼ぐのが楽しい人もいるし、世の中にいいものを残したいという人もいる。全部そぎ落としたときの最終欲求が何かという点が合う人が良いのだろうなと思います。

飛翔:メンターもそうですが、ベンチャーで仕事をする上で「人」を見る目というのは、とても重要だと思うんです。それを見極める上で、仕事をする上でのペナルティーエリアをどこに引いているかという要素も大切だと思います。
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見極め方は超シンプルで、その人が過去にやった事業を聞くと大体わかります。言っていることとやっていることが同じかどうかはある程度見ることができる。自分の基準では、大義のために手を汚さなければならない瞬間があるのは理解できますが、自分に嘘をついていないという状態が一番大事なのではないでしょうか。自分に正直に生きる。これは自身も実践しています。


高橋祥子/ジーンクエスト代表取締役社長◎1988年生まれ、大阪府出身。幼少期の2年間、フランスで過ごす。2010年京都大学農学部卒業。2013年6月、東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程在籍中にジーンクエストを設立。2015年3月、博士課程修了。生活習慣病など疾患のリスクや体質の特徴など約290項目におよぶ遺伝子を調べ、病気や形質に関係する遺伝子をチェックできるベンチャービジネスを展開。一般生活者向けに病気リスクや体質などの情報を伝える遺伝子解析サービスを行う。

高橋飛翔/ナイル代表取締役社長◎1985年生まれ。東京大学法学部卒。大学在学中に「マーケティングドリブン事業開発カンパニー」としてナイルを設立し、代表取締役に就任。企業のインターネット集客課題を解決するデジタルマーケティング事業を展開し、ナイルを業界を代表する存在へと成長させる。2012年には、アプリ情報メディア「Appliv」を主軸としたスマートフォンメディア事業を立ち上げ、現在は全社の経営戦略・事業戦略を担当する。

構成=星野陽子 写真=藤井さおり

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