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高橋 祥子(左)、高橋 飛翔(右)

唾液を採取するだけで、疾患リスクや体質の特徴など約300項目についての遺伝情報が得られるサービスを提供するジーンクエストの高橋祥子と、デジタルマーケティング事業と情報サービス「Appliv」などのスマートフォンメディア事業を展開するナイルの高橋飛翔。

東大在学中に起業した二人に、起業を考えるようになったきっかけ、メンターの選び方などを聞いた。


高橋飛翔(以下、飛翔):3年ぐらい前に、卓球大会でたまたま隣の席に座ったのが出会いですよね。「これからは、人の寿命は200年になる」ということをおっしゃるのでびっくりした記憶があります。

高橋祥子(以下、祥子):私は一方的に存じ上げていたのですが、想像していたより親しみやすいな、というのが第一印象です。生命科学の話にも興味を持ってくださって、話も楽しい。飛翔君との共通点は3つありますね。大学中に起業している、東大を出ている、そして名前が高橋。

飛翔:確かに(笑)!

祥子:これらが重なることがどれだけ希少か先ほど考えてみたのですが、高橋は約140万人いて約1.1%、東大生は私たちの世代だと0.22%ぐらい、学生起業をするのは0.3%ぐらいなので、0.000007%の確率! 1400万人にひとりぐらい。私たちの世代から下の世代で3人ぐらいなので統計的にはあと一人くらい出てくる可能性がありますね。

後世に残るものを生み出したい

飛翔:僕は昔、超無気力人間だったんです(笑)。褒められたことがないし、瓶底みたいなレンズのメガネをかけていた時もあれば、高校時代の成績はクラスで下から数え てトップ5に入っていたかと思います。

両親は2人とも経営者をしているのですが、父は「お金を稼ぐことへの執着」がものすごく強い人。一方で母は小さい頃から文学が好きで、「お金よりも大事なものを持っている」人。そんな両親の背中を見て育った僕は、どちらかというと母の影響を強く受けて、お金とは違うものを重視する人間になったように思います。

人間の生の意味って、生物学的には、単純に個体が生きて種として残っていくということ。でもそれだけだと満足できないのが、人間だと思う。

小さい頃、小学校の先生だった祖母が亡くなったのですが、それが僕にとっての原体験なんです。祖母の教え子たち、僕から見たらおじさんたちが泣いている、その光景を見て、どう死にたいか? を考えるようになりました。「ばあちゃんみたいに死んでもきっと満足できない」と思っちゃったんですよね。

自分が残すものが知識、知恵、思い出だけでは満足できない、と。ずっと多くの人に使われるものなど、形に残る何かを世の中に生み出して死にたいと強く思ったんです。

それを過去にやった人を考えると、歴史上の政治家や研究者でした。だから、政治家や研究者になって後世にずっと残ることを成し遂げれば、自分の生命に価値を見出せるのではないかと思ったんです。政治の世界はパワーゲームの要素があるので、実力をしっかりつけて確実に夢を叶えられるビジネスの方が報われる。

僕は誰もやっていないことをやりたいし、新しい価値観を世の中に提示したい。それが、自分が満足し、笑って死ねるような生き方だと思ったんです。

祥子:自分で言うのもなんですが、私は学生時代、どちらかというと優等生タイプでした。中学生のときに、学年で成績一位を取ったのですが、それに対し、父は「そんなレベルで一喜一憂してないよね。他人の評価を気にせずに、自分の評価軸でおもしろいと思う世界を深く持て」と言ったんです。それをメモをして、ずっと自分に言いきかせてきました。

「自分が知りたい世界を突きつめたい」というのが私の原動力。部活や趣味も、自分の限界までがんばらないと気が済まないところがあって、吹奏楽部でトランペットを吹いていたときも、練習し過ぎて口から血が出たほど(笑)。ソロで大阪府代表になり、高校入試ではトランペットでの推薦ももらえたのですが、「世界では勝てないな」と思ってやめたんです。

飛翔:へー。いろいろな才能があるね。すごい!

祥子:大学は理系しか考えていませんでした。家族が医者ばかりだったので、私も医者になることを考えました。でも、父の病院に見学に行って病気の人たちを見た時に、人が病気になる前になんとかできないものかと考え、幅広い視点で生命科学に携われたらいいなと思いました。

私が遺伝子に興味を持ったのはたまたま生命科学の研究をしていたときですが、現在、ジーンクエストでは遺伝子解析サービスを提供しています。

構成=星野陽子 写真=藤井さおり

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