私たちに「デジタル・デトックス」が必要な4つの理由

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私たちが1日にスマートフォンに触れる回数は、80回に及ぶ。身をすくませる人も多いだろう驚きの数字だ。もはやスマホなしで暮らせないことは明らかだ。そして、何より困るのは私たちが、そのもたらしている実害に気づいていないということだ。

スマホにおとなしく従属する生活を終わらせるための方法について、考えを巡らせている人もいるかもしれない。例えば、夜間は使用禁止にする、眠るときは寝室の外に置いておく(目覚まし時計を買えばいい)、夜遊びに出かけるときはスマホを持っていく担当者を決めておく(自撮り写真には1台あればいい)、週末はスマホを絶対に使わないことにするなど──。

今あなたに必要なのは、習慣を変えるためのちょっとしたきっかけかもしれない。スマホという「ドラッグ」漬けの生活から抜け出してみることの利点には、次のようなものがある。

アイデアを得られる

自分と向かい合い、立ち止まり、観察する時間を持てば、物事にパターンがあることに気づき、点と点のようだった事柄の間をつなげて考えることができる。パターンを見出すことは、大小さまざまなアイデアを得るために必要な「物事の実態を見抜く力」だ。常に無意味なことで頭がいっぱいになっていては、アイデアを得る力を失ってしまう。

スマホが使えないときには、あなたの視線は上を向き、周囲で起こっているさまざまなことに気づくことができる。人と話したり、その人たちの意見に耳を傾けたり、あらゆる感覚から情報を入手することができる。そうすることが、あなたの創造力に「充電」をすることになる。アルフレッド・ヒッチコックいわく、「アイデアはどこからでも生み出すことができる」。だが、そのためには今この瞬間に意識を向け、周囲で起きていることに気づくことができなければならない。

集中できる

「あの人はお昼に何を食べたのだろう」などという些末なことで頭がいっぱいになっているときでなければ、あなたは何が急を要することであり、重要なことであるのかを明確に判断することができる。だが、スマホは物事に優先順位を付ける私たちのそうした能力に混乱をきたす。会議中にスマホが鳴れば、重要な話し合いの内容から気がそらされてしまう。

定期的にスマホを使わない期間を持つことで、私たちは本当に必要な「仕事との距離」を作ることができる。そうすることで、集中すべきものと、放っておいて構わないものを大局的な視点から判断できるようになる。成功を収めているリーダーたちの大半は、自らの成功において大きな鍵を握っているのは集中力だと言う。だが、スマホは私たちが集中することをほぼ不可能にしている。
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編集=木内涼子

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