韓国の就職難を救う? 中小企業と人材の「AIマッチング」

(Photo by Chris McGrath/Getty Images)


韓国では11月上旬から、中小ベンチャー企業部と産業通商資源部が主催する「Leading Korea Job Festival 2017」が開催されたが、その適性検査と職業マッチングシステムに人工知能システムが採用された。これは求職者が事前にネットで申請すると、AIが適性に合う有望企業を紹介。相性のよい企業の採用担当者と、イベント会場で面接できるようにしてくれるという仕組みだ。

今回、3364名の求職者が同AIによる試験&マッチングを受け、合計で2万2000件(ひとりあたり6.5件)がマッチングされたという。実際に会場で実現した面接数は、1800件にのぼった。

「第一希望だった企業が推薦された」「専門高校卒業でも、“隠れた企業”に就職できることを証明したい」など参加者のコメントもあり、AIに背中を押されたと評価も上々だったようだ。

隠れた需要と供給を発掘する人工知能の能力が、財閥・大企業中心の経済構造を変化させ、深刻な失業問題を解消していくのだろうか。韓国におけるHR×テクノロジー分野の動向は、日本においてはとても興味深い観察対象となるかもしれない。

なお、韓国の失業問題は日本の雇用市場とも決して無関係ではない。韓国政府は、売り手に有利とされる日本の雇用市場に、自国の若者を売り込もうとさまざまな政策を打ち出している。

雇用市場のグローバル化が加速するなか、AIやマッチングテクノロジーがさらに発展すれば、買い手として不利にある日本企業の選択肢もおのずと広がるはずだ。いずれ、日本の若者たちも、売り手有利とうかうかしていられなくなるかもしれない。

文=河鐘基

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事