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2017.11.19

トリップアドバイザーが「警告文」表示開始、ホテル業界が警戒感

charnsitr / shutterstock.com


スポーツキャスターで番組司会者のエリン・アンドリュースは2008年、米テネシー州ナシュビルにあるナシュビル・マリオット・アット・バンダービルト・ユニバーシティに宿泊中、裸のところを盗撮され、動画をインターネット上に投稿される被害に遭った。アンドリュースへのストーカー行為を続けていた男が隣室に宿泊、のぞき穴を作って盗撮していたことが明らかになっているが、同ホテルに関する警告文は、現時点では見当たらない(男はその後、連邦裁判所から禁錮27か月の有罪判決を受け、同ホテルはアントリュースに賠償金5500万ドルを支払った)。

また、多数の女性へのセクハラ疑惑が問題になっている映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインに関する報道でも、女性たちが被害に遭った場所として、パーク レーン(ニューヨーク)、ミスター C. ビバリー ヒルズとザ・ペニンシュラ(いずれもビバリーヒルズ)、オテル デュ キャップ エデン ロック(仏カンヌ)、ザ サヴォイ (ロンドン)の5軒のホテルの名前が挙げられている。

さらに、「ホテル、性目的での人身売買」とグーグルで検索してみると、表示される結果はおよそ111万件に上る。そして、これらのうちの多数が、トリップアドバイザーのサイト上で紹介されている。同社はこれら全てのホテルについて、警告文を掲載するかどうかの調査を行うのだろうか──。

ホテル業界も同社に対し、同様の疑問をいくつも持っているが、今のところはそれを公に問うつもりはないという。フォーブスはマリオットホテル、IHG(インターコンチネンタルホテルズグループ)、ヒルトンその他に取材を申し込んだが、コメントの公表を前提に応じてくれたのは、ヒルトンだけだった。

「(掲載を決めるまでの)適正な手順や検証の方法に関する(業界の)疑問にどのように答えるのかという点を含め、トリップアドバイザーが新たな方針について詳細に説明してくれることを期待している」という。

編集=木内涼子

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