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HOYA 鈴木洋代表執行役 最高経営責任者(photograph by Kay N)

眼鏡レンズや半導体用マスク基板などで強みを持つHOYA。収益性・投資効率を重視した経営を貫き、2017年3月期はROE(株主資本利益率)が17.3%、ROA(総資産当期純利益率)も13.4%と好業績だ。

同社の経営のもう1つの特徴は、社外取締役5人、社内取締役1人の計6人による取締役会の運営というコーポレート・ガバナンス(企業統治)体制にある。企業価値の最大化に向けた重要事項の1つに据え、ガバナンスをグローバル水準へと強化したのが、鈴木洋代表執行役 最高経営責任者(CEO)だ。


──HOYAはいち早く、社外取締役を招いた。当時、違和感を抱くことはなかったのか。

1995年に日本IBM最高顧問の椎名武雄さんに社外取締役になっていただいたのが最初だ。私は93年に取締役に就任したが、父親の哲夫会長が「企業経営で実績のある社外取締役を後見役に」とお願いしたのだと思う。社外取締役を招き入れることに違和感はなかった。

──社長に就任した1年後の01年6月には、社内取締役と社外取締役を3人ずつの同数としたが、その狙いは。

より迅速な意思決定が求められるようになり、社内取締役の数を徐々に絞った。その結果、社内取締役と社外取締役の数が同じになっていた。何か特別な意図があったわけではない。

ただ、同数になった途端、取締役会の景色は一変した。もしも取締役会で社長の解任が動議されたら、当事者である私は決議に加わることができない。仮に、社外取締役が一致団結して解任賛成に回れば、私の首が飛ぶことになるからだ。

──さらに、03年には指名委員会等設置会社への移行とともに、社外取締役を過半数以上とすることを定款で定めている。

社内取締役が過半数以上なら、経営の意思決定でも仲間内の論理で「まぁ、いいか」となる可能性もあるが、社外取締役が過半数を占めるとそうはいかない。社外取締役にどう納得してもらうか、代表執行役でもある私が説明に力を入れていかないと前進しない。

社内取締役と代表執行役という2つの「帽子」を持つが、取締役会では提案者に徹し、代表執行役の帽子を被り臨んでいるイメージが強い。

当然だが、社外取締役には、何事も納得してもらうまで説明しなければならない。例えば、なぜこのM&A(合併・買収)が必要か。または新規事業の立ち上げが必要で、具体的にどう進めていくのか、市場分析に基づいた戦略を論理的に組み立てて、ゼロベースから説明する必要がある。想定されるリスクも明瞭化しなくてはならない。

それに加え、当社の歴代の社外取締役はほとんどが経営経験者であるため、取り繕った点があれば、すぐに見抜かれる。ただ、こうした「明瞭化する文化」は現在、組織内にも定着し、議論を重ねて「説明責任」を果たせる内容で起案するという意識が出てきている。

文=伊藤博之

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