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2017.11.18

「箱入りのバラ」で年商8億円、NYの女性起業家の新ビジネス

mnimage / shutterstock

花屋で買ってきたバラは一週間も経てば、その豊かな色や香りも失ってしまう。しかし、ニューヨークの女性起業家、Seema Bansalが考案した箱入りのバラは、水を与えずに常に満開の花をリビングで咲かせることが出来る。

現在26歳のBansalは28歳のフィアンセのSunny Chadhaとともに、2015年にEコマースサイト「Venus ET Fleur」を立ち上げて、このバラの販売を開始した。「本物のバラに特殊加工を施して、常に新鮮な状態に保っている。花の形はそのまま保たれ、香りも1年間残り続ける」とBansalは話す。

Venus ET Fleurは箱入りのバラを300ドルから1500ドルの価格帯で販売している。同社は今年の売上を約750万ドル(約8.5億円)と見込んでいる。年内にはロサンゼルスに2ヶ所目の配送センターを開設する予定だ。BansalとChadhaの2名はフォーブスの2018年版「30アンダー30」(30歳未満の重要人物)の小売及びEコマース部門に選出された。

今回の「30アンダー30」には、数百万ドルの資金をベンチャーキャピタルから調達した若者が多数選出され、取り扱う商品はバイブレーターからキッチン用品、ネイルアートといった具合に様々だ。モバイルでの買い物が主流になる中で、サブスクリプション型のビジネスを立ち上げた企業も多い。

Yコンビネータの共同創業者の支援を受ける、スタートアップ「Bulletin」を起業したAli Kriegsmanは、Alana Branstonとともに新しい形の不動産ビジネスを開始した。Bulletinは大手の不動産会社が取り扱わない物件を、リアル店舗を持ちたいEコマース業者向けに月額300ドルから2000ドル程度で貸し出す。“小売店のためのコワーキングスペース”と呼ばれるビジネスモデルで、同社はこれまで2200万ドルの資金を調達している。

大手企業が見落としてきた市場に商機を見出す若手起業家は他にもいる。白人以外の人々をターゲットとした美容製品を送り出す、Walker & CoのプロダクトエンジニアのIyore Olayeは、男性向けのグルーミングブランドのBevelと、ヘアケア製品のFORMを立ち上げた。

Eコマース分野でも大手が手を出さない市場に参入した若手起業家がいる。シカゴ本拠の「Agroy」はこれまで農業協同組合が主だった、肥料や種子の購入の在り方を変えようとしている。Brad McDonaldが創業したAgroyは2016年、200万ドル以上の売上を達成した。

編集=上田裕資

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