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Illustration Forest / shutterstock

米カリフォルニア州サンフランシスコに拠点を置くスタートアップのトゥルーアコード(TrueAccord)は11月14日、シリーズBラウンドで2200万ドル(約24億8700万円)を調達したと発表した。

人工知能(AI)技術を活用し、データに基づく債権回収プラットフォームを開発した同社は、従来とは異なる方法により、オンラインで債権を回収することを可能にした。

トゥルーアコードのプラットフォームでは、意思決定エンジンが消費者の行動を分析、適切なチャネルを通じて適切なタイミングでコンタクトを取ることにより、パーソナライズされた経験を提供。消費者に都合の良い支払い方法での債権回収を行う。

きっかけは「嫌な思い」

シリアルアントレプレナーとして複数の企業を立ち上げ、それぞれの事業に携わってきたオハドとナダフのサミート兄弟が2013年に創業したトゥルーアコードは、オハドが最高経営責任者(CEO)、ナダフがチーフ・イノベーション・オフィサー(CIO)を務める。

二人が同社を設立したきっかけは、少額の未払金を請求されたときの不愉快な経験だ。兄弟はこのとき債権回収の方法について、何かが本質的に間違っていると感じたという。そして、機会学習の力を借りれば、この業務を根本から変えるシステムを構築する機会をつかめると考えた。

オハドは、「債券回収業者とのやり取りから、従来から行われてきた彼らの業務は技術革新に加え、より人間的なアプローチを採用することによって破壊的な変化を経験すべきだ、すでにその時期に来ていると思った」という。

「消費者の好みは変化している。また、イノベーションは規制面での手厚い支援を受けている。企業もまた、自社の経営にとっては消費者重視の債権回収プロセスの方が適切であることを理解している」

「市場のニーズは非常に大きい。われわれは機会学習を活用できるこの機会を捉え、今後の債権回収をもっと人間味あるものにしたい」

急成長をにらむ

新たに調達した資金は、トゥルーアコードの成長のための戦略的イニシアチブに充てる計画だ。製品やプラットフォームの開発と改良、監査やコンプライアンス問題に対応するための機能の提供、垂直市場における事業の拡大、顧客の獲得と維持、従業員の採用などだ。

同社の顧客には、クレジットカード発行者のうちトップ10に入る各社と、大口債権者、口コミサイトのYelp(イェルプ)や消費者金融のLendUp(レンドアップ)といったテクノロジー企業が含まれる。

昨年から今年にかけて、トゥルーアコードの債権回収の担当件数はおよそ2.5倍になり、創業以来、同社のプラットフォームを利用した顧客は200万を超えた。債権回収率では、古くからある債権回収業者のARSやTSI、ノースランドなどを大幅に上回ることが可能だと見込んでいる。2014年以降、トゥルーアコードのプラットフォームを利用して回収された債権は、15億ドルを超えた。

トゥルーアコードは、借り入れがある人たちの家計をより健全にすることを支援するプラットフォームの提供を目指している。そのためにも、債権回収プロセスの健全性のための長期的なソリューションを提供していきたい考えだ。

「われわれはまず、消費者と貸し手の双方にとってより優れた技術を確立する必要がある。従来からある債権回収業者を上回る実績を残せたことで、当社の顧客は現在、急増している。米国で借入残高のある人はおよそ7700万人。その半数以上へのサービス提供を目標にしている」

編集=木内涼子

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