中国の富豪の特徴は平均年齢が米国よりも大幅に若い点だ。今年の中国の富豪リスト入りを果たしたメンバーの平均年齢は55歳。対照的に米国は67歳となっている。本稿では中国の若手富豪の中で、特に傑出した存在感を誇る顔ぶれを紹介する。(カッコ内は年齢。金額は資産額)
「美団-大衆点評」創業者、Wang Xing(44):40億5000万ドル
Wang Xing(王興)が運営するEコマースサイト「美団-大衆点評」は世界で4番目に企業価値の高いスタートアップ企業となった。フードデリバリーを主要事業とする同社は、2015年にレストラン評価サイトの「大衆点評」を傘下に収めた。
北京本拠の美団-大衆点評は直近のテンセント主導の資金調達で企業価値300億ドルの評価を受け、40億ドルを調達。2年足らずの間に評価額を2倍にした。出資元には米国の旅行予約サイトの「プライスライン」やセコイヤキャピタルらもいる。
Wangは2010年に「美団」を創業し、グルーポンに類似したグループディスカウント形式のEコマースを展開。その後、上海で2003年に始動した「大衆点評」を買収した。美団-大衆点評のアプリの月間アクティブユーザー数は7500万人に達し、参加店舗数は600万軒以上に達している。
連続起業家として知られる王は2005年に精華大学のメンバーらと “中国版フェイスブック”とも呼ばれる「人人網(レンレンワン)」を立ち上げたほか、ツイッターを模倣した「Fanfou.com」を設立。2016年には映画チケット販売サイトの「Maoyan.com」を始動させている。王のビジネスはオリジナリティには欠けるが、中国市場を非常によく理解していると評価されている。王は中国の富豪リストで59位に入った。