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キャッスル・ステュアート・ゴルフ・リンクス

ウイスキー製造の本場として栄える、スコットランドのハイランド地方。ロイヤル・ステュアート家とともに500年の歴史を刻んできたこの地で、「スコットランドゴルフの神髄を取り戻す」ことを理想とし、2009年にオープンしたキャッスル・ステュアートの「新しい挑戦」とは。


ハイランド地方の入り口、インバネス空港からすぐの所に、ゴルフファン垂涎の新しいコースができた──。そんな話を聞きつけて、先にスコットランド入りしていた加茂太郎先輩と待ち合わせをしたのは、キャッスル・ステュアート・ゴルフ・リンクスがオープンした翌年、2010年の6月後半のことであった。

午後に空港へ降り立ち、レンタカーを借りて、夕方4時過ぎに心を躍らせてゴルフ場へ到着した。クラブハウスは大変素晴らしい真っ白なアール・デコ調である。支配人によると、オーナーのマーク・パーシネンと建築家のロイ・マルコムが、美しいマリー湾のパノラミックビューと内装──バー、ロッカールーム、最上階のラウンジとが一体化するように工夫しようと同意し、入念にデザインしたそうだ。

キャッスル・ステュアートは大変歴史のある場所だ。夫を亡くしたスコットランド女王メアリーが、1561年にフランスから帰国した際、異母兄妹のジェームズ・ステュアート(後の初代マリ伯爵)に領地として譲渡したことがはじまりである。1625年に完成した城は、イングランドとの激しい戦いの歴史のなかで、ロイヤル・ステュアート家代々の貴重な逃避場、隠れ家となってきた。

この古城を1977年にリノベーションしたのが、一族の末裔のリチャード・ステュアート夫妻だ。アメリカにおいてビジネスで成功した彼らは、城を、8つのベッドルームをもつ高級ホテルとして見事に蘇らせた。現在はリンクスコースの重要な景色のひとつになっており、特に4番・パー3のホールからの眺めは荘厳である。


4番ホールから見える古城

コースに話を移そう。このハイランドの絶景の地のコースの設計には、共同設計者のマーク・パーシネンとギル・ハンスの思想が深く関わっている。ギル・ハンスは2016年のリオデジャネイロ・オリンピックのゴルフ会場を設計するなど、世界に名を轟かせている。

マーク・パーシネンは、00年にセント・アンドリュース・ゴルフ・リンクスのそばのキングスバーンズ・ゴルフ・リンクスという名コース設計を手がけたことで名高い。大成功させたキングスバーンズに続く、さらに素晴らしいコース設計の候補地を探していたマークが、08年に出合ったのがここ、キャッスル・ステュアートだった。

文=小泉泰郎

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