AIスタートアップを率いる米国「30歳未満」起業家たち

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フォーブスが11月14日発表した、各業界の注目の若手を紹介する「30アンダー30」リストでは、人工知能(AI)領域からも有望な30歳未満の若者らが選出された。下記にAI関連スタートアップの注目の人物を紹介する。(カッコ内は年齢)

Scale共同創業者:Alexandr Wang(20)、Lucy Guo(23)

2016年、MITでコンピュータサイエンスを学ぶ学生だったAlexandr Wangは、シリコンバレーに住む友人Lucy Guoのもとへ向かった。Guoはピーター・ティールが設立した基金「Thiel Fellowship」の支援を受け、2014年にカーネギーメロン大学を中退していた。

2名が設立した「Scale」はアルファベットやP&G、GMクルーズらに“ヒューマンインテリジェンスのAPI”を提供し、企業価値は470万ドルとされている。ScaleはシンプルなAPIを通じ、画像認識や音声トランスクリプションといった高度なタスク処理をオンデマンドで提供する。

Scaleはアマゾンが運営するコンピュータ関連のタスクをクラウドソーシングで請け負う「Mechanical Turk」を競合と見据え、独自の技術や人材のクオリティで差別化を図ろうとしている。同社は、自動運転車やコンピュータビジョン向けのデータベース構築などが行える、ハイスペックな人材をスクリーニングして抽出している。

OpenAI最高技術責任者:Greg Brockman(29)

現在29歳のGreg Brockmanはかつて、決済企業「ストライプ」のCTOを務め、同社の顧客数を5社から205社に成長させた後、2015年にストライプを去った。その後、イーロン・マスクやYコンビネータのSam Altmanらと出会い、彼らとOpenAIを共同創業した。

OpenAIは人工知能の進化を注意深く見守ることを目的とした非営利のリサーチ企業で、Brockmanは現在同社のCTOを務めている。2年の間にBrockmanはトップレベルのAI研究者らを集め、Eスポーツのプロを相手にしたPCゲームの対戦で、AIが人間に勝利するという快挙を成し遂げた。また、AIの安全利用の指針について述べた論文「Concrete Problems in AI Safety」も共同執筆している。


Drive.ai共同創業者:Sameep Tandon(27)

自動運転テクノロジー企業「Drive.ai」を率いるSameep Tandonは、スタンフォード大学のコンピュータサイエンスのPh.Dコース在籍中に、人工知能研究ラボのメンバーとともに同社を立ち上げた。同社の使命はディープラーニングを用い、自動運転の安全性を向上させることだ。

同社のテクノロジーは道路上の歩行者を発見し、緊急時にアラートを発することが可能だ。Drive.aiは既に7700万ドル(約87億円)の資金を調達し、カリフォルニア州で最も初期に自動運転車を走行させた企業のうちの1社となった。

今年の「30アンダー30」のエンタープライズテック部門には、自動運転車向けのセンサーテクノロジーを開発する企業「Aeva」の創業者のSoroush Salehian(29)や、公共交通プランニング企業「Remix」共同創業者のTiffany Chu(29)とDaniel Getleman(27)らも選ばれた。

エンタープライズテック部門の全メンバーリストは下記URLから確認できる。
https://www.forbes.com/30-under-30/2018/enterprise-technology/#56fe6bcb551c

編集=上田裕資

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