Bossa Novaが開発するロボットは小売店の棚の商品の管理を担う。「店の在庫管理は大変骨の折れるタスクだ」と同社のCBOのMartin Hitchは言う。「現状では作業はすべて人間が行っており、効率も非常に悪い」
Bossa Novaのロボットは複数のカメラやセンサーを通じ、店内の情報を収集。商品が足りているか、価格が間違って表示されていないか、案内板が適切に掲示されているか等を確認する。データは店のマネージメントチームに送信され、必要があればスタッフが商品の再配置やラベルの変更などを行う。
同社は2013年からロボットを現場に投入し、テクノロジーを向上させてきた。ウォルマートは既にBossa Novaの製品を使用しており、11月初旬に「導入店舗を50店に増やす」とアナウンスした。
ウォルマートのJohn Creceliusは声明で「我が社はBossa Novaと緊密な連携をとり、技術を発展させてきた。このロボットは店内情報をほぼリアルタイムで把握し、各店舗の状況に応じた対応を実現している。テクノロジーの力で顧客サービスを向上させられる」と述べた。
Bossa Novaは調達資金で今後、新たな人材獲得に乗り出すという。社員数は現在80名だが、今後は50%の増員を目標としている。CEOのHitchは「人工知能領域はシリコンバレーで最も競争が激化している分野だ」と話す。同社はサンフランシスコとピッツバーグに拠点を置き、人材のスカウトに乗り出している。
Hitchによると最近はアップルやグーグル、ウーバーらもピッツバーグでの採用活動を開始し、人材の獲得競争が激化しているという。ただし、彼は会社の規模拡大に自信を深めている。
「ロボットの活用を通じ、小売店はオンラインと同様な顧客データの取得や分析が可能になる。我々のテクノロジーは店舗らに、店での買い物とオンラインの買い物をシームレスに管理する、オムニチャネルな仕組みを提供できる」とHitchは話した。