経済協力開発機構(OECD)の最新の報告書「図表で見る医療(Health at a Glance)2017年版」によると、加盟国の人口10万人当たりの医学部卒業生の数は2015年、平均12人だった。
加盟国の中で同年に医学部の卒業生数が最も多かったのは、人口10万人当たり約24人となったアイルランド。数年前に学士入学制度(Graduate Entry Programmes、GEP)を導入し、他学部で学士を取得している者に医学部への編入学を認め、4年間での卒業を可能にしたことが奏功した。次いで卒業生数が多かったのは、デンマーク(同19.5人)だった。
3位のオーストラリアは2000年以降、卒業生数が最も大幅に増加している。2015年には、15年前の2.7倍となった(同15.8人)。米国の卒業生数も過去10年間で徐々に増えているが、上位3か国に比べ小幅の増加にとどまっている(同7.5人)。
一方、将来に予想される医師不足を懸念する日本もまた、医学部への入学者数を引き上げるための独自の取り組みに着手している。だが、2015年の時点では、その努力が大きな成果を出しているとは言えない。同年の医学部卒業生数は、10万人当たり6.4人だった(同報告書2015年版では6.0人)。
2015年の医学部卒業生数が多かったOECD加盟国は、以下のとおりだ(同年またはそれ以前の最新データに基づく。数字は人口10万人当たりの人数)。
1位:アイルランド 23.7
2位:デンマーク 19.5
3位:オーストラリア 15.8
4位:スペイン 13.0
5位:英国 12.8
6位:イタリア 12.3
7位:ドイツ 11.3
8位:ノルウェー 11.2
9位:メキシコ 10.7
10位:フランス 10.0
11位:トルコ 8.9
12位:カナダ 7.9
13位:韓国 7.9
14位:米国 7.5
15位:日本 6.4