リゾートの周辺には、中国ディベロッパー最大手の万科グループが開発するショッピングモールや別荘エリアの並ぶ「吉林省松花湖国際リゾート」が広がっている。
スキー場の前に建つメインの宿泊施設は松花湖プリンスホテルだ。「プリンス」の名を冠した施設が中国に誕生するのは初めてだが、日本のスキーリゾートの運営ノウハウを取り入れたい万科の意向で、開発コンサルティングからサービス全般までプリンスグループが担当することになった。
リフト1日券は約5000円。日本と変わらない
集客は好調で、人気の理由は雪質だ。シーズン中はマイナス20度から30度に下がるため、北海道旭川の水準に相当するパウダースノーとなる。利用者の95%以上は中国人。地元東北三省や北京、上海、広州からが大半を占め、残りはお隣の国から来たロシア人。
そして、プレシーズンにトレーニングを行う日本の若手選手たちだ。営業期間が11月からと日本より早く始まるため、この地で合宿を行った後、日本各地の大会や海外に転戦していくのだ。
12月初旬からこの地でトレーニングを行う長野県スキー連盟所属の清水大選手(27)は「広大なスキーエリアとリゾート施設に圧倒された。ターンが楽しめるアクティブな雪質が確保され、レーシングコースはアイスバーンもあるという対応の幅も魅力だ。気になる食事もプリンスホテルなので困らない」と語る。
松花湖プリンスホテルの玄関から見上げると、スキーコースが見渡せる。
ホテルはラグジュアリータイプで、正面玄関を入ると、ロビーからコースが見上げられるという設計上の演出が施されている。レストランは日本料理や中華料理、ブュッフェ式のオールディダイニング、バーもある。インドアプールやSPA、フィットネスクラブも完備。滞在中は快適そのものだ。
彼は帰国後、12月末に開催されるアルペンスキー選手権予選会に参加する予定だ。これは来年2月の平昌オリンピックの予選会を兼ねていて、優勝すれば道が拓けるという。
日本を訪れる中国人スキーヤーは、こうした最新リゾートを体験済みであることを知っておかなければならないだろう。