ブランドが今後成功を収めるには、未来に考えをめぐらせ、顧客・業界のトレンドを先取りしなければならない。ここでは、顧客体験において今後導入され、5年後には普及しているであろう3つのトレンドを紹介する。
1. 全てがオンデマンド化
アマゾンは注文日当日の配送を提供しているし、ウォルマートでは発送時間の改善のため、スタートアップの買収を戦略的に進めている。また各社提供のアプリを使えば、顧客は自宅に居ながらにして、さまざまな分野で当日中のサービスを受けられる。
食料品から家庭用品、マッサージのサービスまで、アプリを数回操作するだけでさまざまなものが手に入る時代となった今、顧客はあらゆるものをすぐ手に入れることを期待しており、それができない会社は顧客を失う恐れがある。オンデマンドのサービスとは、顧客が何かを欲しいと思った時点ですぐに手に入れられることだ。その中で、迅速な配送は当然のものとして期待される顧客体験となった。
2. 従来型広告の消滅
ネットフリックスやHulu(フールー)といった動画配信サービスの登場により、今や顧客は広告を完全に避けられるようになっており、今後もこの傾向は進むだろう。ブランドが自社のメッセージを共有し、新たな顧客をつけるためには、クリエーティブな宣伝方法を新たに開拓する必要がある。
3. コンセプト店が小売店に取って代わる
ネット通販の利用増加に伴い、実店舗の閉鎖が増えている。こうして空になった空間は、ただ物を買うための場ではなく、何かを体験して時間を過ごす場所としてデザインされたコンセプト店へと姿を変え始めている。
米百貨店大手のノードストロームは先日、衣料品販売すらも行わないコンセプト店をお披露目した。同店舗では、パーソナルスタイリストによるサービスが提供され、服の配送や仕立てを待っている間、マニキュアやコーヒーを楽しめる。特化型のコンセプト店でしかできない、ぜいたくな体験だ。
その他のブランドもこのアイデアを採用し、ブランドへの顧客ロイヤルティー(忠実度)を構築して競合企業に勝つための個性的な小売スペースを展開している。
5年後に顧客体験で先頭に立つために、企業は今から準備を始めなければならない。これら3つの重要分野に注力すれば、ブランドは未来に向けて備え、顧客トレンドの最前線を進むことができる。