ビジネス

2017.11.18

コーヒーの淹れ方にも「仕事ぶり」や「性格」が出る

加藤匡毅 建築家


僕はデザイナーには2種類いると思っています。「カタチ」、つまり一瞬の美しい静止画像をデザインできる人。それから、コンセプトを表現するストーリーや、人にどのように経験してもらえるのかを主軸に「時間」をデザインできる人。

エスプレッソマシンを置いているのは、お客様への一杯や福利厚生だけでなく、「自分のライフスタイルをデザインできれば、他人のそれもデザインできる」という前提に気がついてほしいという思いが実はあるんです。

我が家にはテレビがありません。情報はユニークな友人たちから得る。そして家族とおいしい食事をとり、好きなコーヒーを飲む。どんな空間でどう過ごすか、個々のライフスタイルが仕事のクリエイティビティにも大きく影響すると僕は思います。

<加藤匡毅のある1日>

5:00 起床
5:15〜6:00 メールチェック
6:00〜7:00 散歩
7:00〜8:00 朝食
8:00 出社(始業は10:00)
10:30〜12:00 打ち合わせ
12:00〜13:00 ランチ
13:30〜20:00 打ち合わせ・来客など
20:00 退社・帰宅
21:00〜23:00 メールチェック
23:00 就寝

<加藤匡毅が大切にするもの>



「Slayer」のエスプレッソマシン
シアトル発の「Slayer」は、僕的には“コーヒーエスプレッソマシン業界のハーレーダビッドソン”(笑)。屈強な男たちが顧客のオーダーに合わせて一つひとつ手作りでつくってくれます。僕は「仕上げをせず、マテリアルそのままの状態」で注文しました。

手描き用iPad
スケッチ画を描くことも僕の重要な仕事。紙の上をペンが転がるライブ感が個人的には好きですが、デジタルでも現場のスケッチを描きます。トレースというアプリと出会い、iPadとの向き合い方がすごく変わりました。


かとう・まさき◎1973 年、大阪府生まれ。95年、工学院大学建築学科卒業。隈研吾建築都市設計事務所、イデーなどを経て、2012年にPuddle設立。国内外の建築、インテリアの企画・設計から音響デザインまで手がける。受賞歴多数。

構成=堀香織 写真=yOU(河崎夕子)

この記事は 「Forbes JAPAN No.40 2017年11月号(2017/09/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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