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里山に住む「ミニマリスト」のDIY的暮らし方

娘に回ってきた、木製のデスク。使い込まれた風合いがインテリアに馴染む。

少ないモノで暮らす人は「ミニマリスト」と呼ばれているが、私の解釈は、モノを「所有しない」のではなく「依存しない」ことができる人だと考えている。

例えば、冷蔵庫は家にないけどコンビニが近くにあるから大丈夫というのは、結局コンビニというサービスに依存していることになる。

私はふとあるとき、東京の食料品店に並ぶ食材は、地方でつくられたものばかりだと気づいた。そして3.11をきっかけに、自分が普段使っていた電気は、福島の原子力発電所でつくられていたことも知った。生きていくのに必要な食べ物もエネルギーも、誰かに依存して生きていた。

逆に、依存しないで生きていこうとすると、それなりに道具が増える。田舎暮らしでは、草刈機や薪を切るためのチェンソー、斧も必要だ。DIYのための道具も古材もひと揃えある。それでも、自分はミニマリストだと思う。必要なモノは置いているが、必要ではないと思うモノ、例えば着飾ることを手放しているからだ。

私が東京・神楽坂から、長野・富士見町に移住をしたのは3年前のことだ。移住して何度も経験したことは、田舎ではモノが回ってくる、ということ。いやこれが、不思議と欲しいタイミングで、欲しいモノが回ってくるのだ。

例えば、この間「回ってきた」のは、小学校に入学した娘がずっと欲しいと言っていた学習机と、これまたずっとあったらいいなと思ったいた、もうすぐ1歳になる息子のダイニングチェア。

どちらも同じ、閉店間際の家具屋からいただいた。もうすぐ解体工事が始まるという情報を聞きつけた友人が、毎日のように家具屋に足を運び、そこでまだ使えそうなもの、目に留まったものを拾い上げた。そしてうちに立ち寄って「欲しいものがあったら持っていって」と伝えてくれた。

娘の学習机は、もともと子ども用ではなく、おそらく事務員が使っていた机なのだと思う。3台あったが、そのうち2台は補修に手がかかりすぎる状態で、もうそれしかないという1台だった。娘は「引き出しのある机がいいな」「ブックスタンドがあったらいいな」と憧れを語っていたのだが、まさしくお目当ての引き出しとブックスタンドがついていた。

そして息子のダイニングチェアは、まさに昭和のデザインといった感じで、座面と背面がビニール素材で、ポップな絵柄が描かれていた。骨組みがいたってシンプルであることを気に入った夫が持ち帰って、座面と背面を木材に取り替えてくれた。


息子に回ってきたダイニングチェア。リメイクをしても心地よいアンティーク感が漂う。

基本にあるのは「もったいない」の心

「モノが回ってくる」背景には、やはりどう考えても「もったいない」の精神があると思う。「まだ使えるモノがたくさんあるのに」という、あげる側の「もったいない」。それに加えて、もらう側にも「購入してもそんなに使わないかもしれない」、「誰かに譲ってもらえるかもしれない」という「もったいない」がないといけない。

普通に考えれば、小学校に入学する子どもの学習机を用意するなら、4月には準備をするだろうと思う。もらってきたのは10月なので、欲しいと思ってから入手まで半年かかっている。ダイニングチェアも、普通は離乳食が始まる頃に購入を検討すると思う。息子はもうすぐ1歳になるので、こちらも同じく、入手まで半年かかっている。

文=増村江利子

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