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世界37カ国、700万人が愛読する経済誌の日本版

ドライブモード共同創業者の上田北斗

いまや世界を代表する起業家イーロン・マスク。持続可能エネルギーを原動力にした社会の実現や火星移住計画など、規格外のビジョンが注目を集めるが、一方で彼のマネジメントにはなかなかスポットライトが当たらない。

そんな「社内のイーロン」と密に接してきた日本人がいる。テスラモーターズで4年余り働き、現在はホンダなどと協同し、シリコンバレーで最も注目される日本のスタートアップとも評されるドライブモードの共同創業者・上田北斗だ。

2017年10月19日、一般社団法人「at Will Work」主催、ForbesJAPANと協同で次世代の働き方を模索する雑誌「WORK MILL」を創刊した岡村製作所の後援で、シリコンバレーから久方ぶりに帰国した上田と、早稲田大学ビジネススクール准教授 入山章栄の特別対談が実現。社内マネジメントを通して窺える、もう一つのイーロン・マスクの貌を2回に渡って掲載する。

第1回で紹介するのは、あまりに徹底したトップダウンを行うイーロンの姿だ。


入社日に突然、「4カ月で工場を作れ」と言い渡された

入山:イーロン・マスクの第一印象はどうでしたか。

上田:初めて会ったとき、イーロンはスマイルがなく、無愛想な人だと感じましたね。ハーバードビジネススクールを卒業して2011年5月末にテスラへ正式に入社したんですが、その初日にイーロンから「工場を作ってくれ。10月1日のオープンパーティの招待状を3000人に送ったから」と言い渡されたんです。

入山:えっ!?たったの4カ月で工場を?

上田:でも工場で働いたこともないから、4カ月で工場を作るのが難しいのかどうかもよくわからなくて。とりあえず「Yes. No Problem.」と答えたんです。何が難しいのからすら、当時の僕にはよくわかりませんでした。

休止していた元トヨタの工場を、4カ月で新たな工場に作り変えたんです。テスラでは場が人の行動を変えるという考え方を採用していました。従来の工場っぽくない綺麗な場所で働けば、それにつられて従業員の士気も上がるということですね。

入山:日本でも「働き方改革」でオフィスを綺麗にしようと言われるけど、実際は事務スタッフの部屋やバックオフィスにコーヒーメーカーをつけるといったことばかり。工場を綺麗にすべきというのは、たしかにその通りですよね。結局、4カ月で完成したんですか?

上田: 完成しました! オープン当日にドアのペンキを塗るくらいにギリギリでしたけど。写真は最終品質をチェックの場所ですが、ちょっと段差を高くしてスポットライトを当ててステージのようなつくりにしています。これがイーロンのこだわりです。正直、面倒臭かったですね(笑)。

ただ、4カ月でできたのはあくまで工場の見てくれだけ。その後は内部の稼働準備に移りました。それから「モデルS」のプロトタイプの製作を一年くらい任されて、2012年6月にローンチしました。

入山:2011年5月末にモデルSを作るための工場を作り始めたんですよね。たったの1年で製品をローンチ。すごいスケジュール感ですね。

強力なトップダウン経営が生んだ「ミッド・ナイト・トレイン」


早稲田大学ビジネススクールの入山章栄准教授

入山:テスラにいたのは2015年半ばまでの4年間ですよね。この期間には何をやったのですか?

上田:工場立ち上げからモデルSのローンチやデュアルモーターという四駆のローンチ、モデルXの開発に少し関わって、それからギガファクトリーという世界最大級のバッテリー工場をネバダに立ち上げました。ほかにはないプロジェクトばかりで、めちゃくちゃ楽しかったです。

編集=フォーブス ジャパン編集部

 

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