ビジネス

2018.01.21 10:00

二人のCEOに聞く「経営に必要な資質」

アストロスケールの岡田光信CEO(左)とUUUMの鎌田和樹CEO

アストロスケールの岡田光信CEO(左)とUUUMの鎌田和樹CEO

経営者として必要な資質、それを体得するために実践すべきことは何なのか? スペース・デブリ(宇宙ゴミ)の除去に関するサービスを提供するアストロスケールの岡田光信とYouTubeチャンネルのマネジメントや動画制作サポートをするUUUM(ウーム)の鎌田和樹に聞いた。[第1回第2回


鎌田和樹(以下、鎌田):社長になって気がついたのが、事業は急に生まれるわけではない、社長は常に種を蒔き続けなければいけないということ。「この人と会って何になるのだろう」という打算が働くときってあるじゃないですか。でも、自分の時間を犠牲にしてでも種を蒔けば、後々返ってくる気がします。

最近、「運も実力のうち」という言葉が好きなんです。「同じ時間の中で回数多く動けば成功確率は上がる」と考えたら、人よりも動いた分だけ返ってくるし、実力につながると思うんですよね。

岡田光信(以下、岡田):それは同感ですね! 僕は「福作り」という言葉が好きです。誰に会おうがどんなところに行こうが、何かしら点がつながっていますから。

経営者として考えていること

鎌田:1%でも自分の会社を好きじゃない人に社長はできないと僕は思っているんです。僕が最初にリスクを感じたのは銀行から2億円借りたとき。個人が連帯保証をする借金で、社長個人の責任になるので、勇気がいると思いました。でも、そういうリスクをとってでもやりたいことがあったので当然サインをしました。

僕の場合は、経営をやっている実感はなくて、やりたいことをやりたいから経営をしている。つまり、自分が好きなことをやれるよう、そして仲間が会社というコミュニティーの中でがんばっていけるよう、組織にして、人事などの会社に必要な仕事もやって、そのうちに「経営」になっていったという感じです。

岡田:人や戦略も当然考えるのですが、僕は機嫌よくいることを心がけています。オフィスへ行くときはギャグを言って入る。会社に電話をするときに、タレントさんの名前を名乗ったりする言ったりする、「小栗旬です」とか言って(笑)。いいんです、そんなくだらないことで。会社のトップが機嫌がいい、ということが会社の衛生上いい。上司の顔色を見るなどの無駄な気遣いをさせないようにしています。
 
鎌田:僕は「迷ったら、YouTubeを見ろ」とよく言います。新規事業もYouTubeに転がっているだろうし。僕らの事業はYouTubeにクリエイターがいたからできている。新入社員が1か月目にやることは朝から晩までYouTubeを見続けることです。おそらく、仕事中YouTubeを見ていても怒られない唯一の企業です(笑)。
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構成=星野陽子 写真=藤井さおり

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