ビジネス

2018.01.19

運命の仕事は「行き当たりバッチリ」で見つけ出す

UUUMの鎌田和樹CEO(左)とアストロスケールの岡田光信CEO


鎌田:「一番のり」とか「誰もやっていない」ということに僕も嬉しさを感じますね。

岡田:市場がないということがビンビンに響いてわくわくした。

それまで私は、「あなたは人生でなんの問題にケリをつけますか」という質問に即答したかったのだけど、ずっと答えが見つからなかった。でも、これで答えられると思った。社会での居場所が見つかったという感じでした。

会社を立ち上げたのは2013年5月のことで、鎌ちゃんが会社を立ち上げたのは6月だよね。ほぼ同じ時期に会社を立ち上げたMIKAWAYA21の代表取締役社長の青木慶哉さんと3人で、「お互い成功しよう」と言って、ルイ・ヴィトンの10万円以上の大きな財布をお揃いで買いました。
 
鎌田:当時、ヴィトンの財布を買う余裕はなかった。底辺のときで気持ちも落ちていましたから。

岡田:3人でヨーイドンでスタートを切ったら、鎌ちゃんが一番に上場した。本当に嬉しかったし、励みになりますよね。

鎌田:そして、フェイスブックで、「次に続くよ」というメッセージを岡田さんと青木さんからもらったんです。僕は、基本は一人でやるタイプですが、今思うと、岡田さんや青木さんを含めていろいろなメンターがいてくれたんだな、と思います。前職は携帯電話を売っていただけなので、起業のことなど、みなさんに教えてもらいました。会社では数少ない仲間が最大限働いてくれた。ありがたい話ですね。

二人の共通点は「行き当たりバッチリ!」

岡田:年齢もバックグラウンドも違う鎌ちゃんとの共通点はなんだろうって考えたのですが、「行き当たりバッチリ!」ということかと思います。

鎌田:うまいなー(笑)。

岡田:一見ランダムに動いているのですが、その裏にこうなったらこうなるという、網の目をきちんと張っている。どう転んでも大丈夫になっているんです。私も鎌ちゃん同様に熱意を持って、いろいろなパターンを考えて、様々なトライしてみて、最後は事業として整ってきている。散らばっているし、散らかしているように見えますが、最後は出来上がる。

行き当たりになるというリスクを喜んでとっているのですよね。でも最後はバッチリなんです。


岡田光信/アストロスケールCEO ◎1973年生まれ。シンガポール在住。東京大学農学部卒業。Purdue University MBA修了。高校生のときにNASAで宇宙飛行士訓練の体験をして以来、宇宙産業への思いが強くなる。宇宙ゴミを除去することを目的とした宇宙ベンチャーASTROSCALE PTE. LTDを創業。

鎌田 和樹/UUUM(ウーム) 代表取締役・CEO◎19歳で上場企業へ入社。出店担当として社長より直々に携帯電話ショップ出店を任命されテレコムサービス株式会社にてソフトバンクショップを単月100店舗出店。 ショップ運営、アライアンスなどさまざまな経験をつむ。2011年からはイー・モバイル一次店の代表取締役を務める。数々の功績を残した後、孫泰蔵氏との出会いから衝撃をうけベンチャーの道へ。その後、HIKAKINとの出会いをうけて30歳を手前に独立。

構成=星野陽子 写真=藤井さおり

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