こうした中、イギリスでは25-35歳の若者世代を中心に「Monzo」というアプリが絶大な支持を集めている。このアプリは支出をトラッキングしてくれるだけでなく、節約の支援までしてくれる。Monzoの月間ユーザー数は50万人に達し、アプリ経由の月間支出額は平均440ポンド(約6万6000円)となっている。ユーザーの約3分の2が、少なくとも週に1度はアプリを使っているという。
ロンドンに本拠を置くMonzoは11月7日、Goldwater Capitalやストライプ、セコイア・キャピタルの会長であるMike Moritzなどから総額9300万ドル(約105億円)を調達したことを明らかにした。既存株主のPassion Capitalもこのラウンドに参加した。
Monzoは、アライド・アイリッシュ銀行のデジタルバンキング部門に努めていた友人グループによって設立された。彼らが目指したのは、「今のライフスタイルに最適な当座預金口座を提供する」ことだった。
同社の広報担当者であるBeatrice Borbonによると、2016年10月に最初のプリペイドカードをリリースした際、スタッフらは契約者が数千人程度になると見込んでいたが、実際には申し込みが殺到したという。現在では50万人がMonzoを通じて買い物をし、3万5000人がウェイトリストに登録している。ユーザーの大半は、ロンドンやマンチェスター、リーズなどの大都市に住む25-35歳の若者層だ。
Monzoは今後、提供サービスを変更する予定だ。これまでは、お洒落なデザインのプリペイド型デビットカードを発行し、アプリでは支出や予算の管理を行う機能を提供していた。しかし、今後は銀行のようなサービスを提供するという。
同社はプリペイドサービスを停止する予定で、ユーザーは今後数週間でMonzoの当座預金口座への移行をアプリ上で促される。拒否するとMonzoのサービスを使えなくなるが、新しい規約に合意すると、アプリと連動した物理的な銀行カードが郵送され、既存の残高は新しい口座に移行する。
Monzoによると、新サービスでは支出のトラッキングがより明瞭になるという。例えば、喫茶店でコーヒーを購入した場合、これまでは支出明細に店舗の親会社の名称や、長々とした数字が記載されることがあった。しかし、今後は喫茶店の名称やロゴが表示され、どこでお金を支出したかが一目瞭然になるという。