ビジネス

2017.11.11

ネットフリックスがグッズ販売に進出 他社が学べる3つの事業戦略

ストレンジャー・シングスの出演者たち(Photo by Jeffrey Mayer / WireImage)


2. 最初に物語、次に商品を売り出す

ブランドは通常、商品を売り出した後、その商品に意味を持たせるために物語を追加する。ありふれた商品を、絶対に買うべき魔法の商品に仕立て上げる広告業界は、大半の消費者にとって憎い存在だ。

コンテンツ業界は、物語の後に商品を投入することができ、この手法ははるかに強い力を生み出すことができる。ネットフリックスは、意味のある物語を出した後に商品を販売するのだ。

「ストレンジャー・シングス」の大ヒットは予想外のものだった。実は、さまざまなコンテンツを試してから、コンテンツを中心としたコミュニティーを作る方が、はるかに容易だ。ネットフリックスは、まず視聴者を理解することで、どのような商品が消費者受けするかを知ることができる。

ネットフリックスが素晴らしいのは、消費者がコンテンツを追いかけている点だ。「ストレンジャー・シングス」の放送が始まってから、インターネット上には登場人物を題材にしたミーム(ジョーク画像)があふれた。こうした登場人物は、人々にとって何らかの意味を持っている。私は個人的に、同ドラマに登場する超能力少女イレブンのセーターが欲しい。彼女はナンセンスを一切受け入れない強い女の子だ。このアイデアに賛同できない人などいるだろうか?

3. 全てに最高のユーザーエクスペリエンスを取り入れる

ネットフリックスは、全てにおいて顧客体験を重視しており、消費者の負担を軽減するという面では指標となる企業だ。

ユーザーは、ネットフリックスを開くたびに、前回観終えた部分から再生を始められる。ネットフリックスは視聴者のことをよく把握しており、ユーザーのシームレスな体験を重視している。そして今度はその情報を使い、視聴者に商品をシームレスに販売しようとしている。

ディズニーはコンテンツ企業から、ウォルト・ディズニー・ワールド、ディズニーランド、ディズニークルーズ、ディズニーストアなどを経営する驚異的な帝国へと発展した。ネットフリックスも同様の道を歩み、メディア帝国を築き上げるだろう。

編集=遠藤宗生

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事