ScreenShopはその名の通り、スマホでキャプチャーした服の写真をEコマースサイトで検索し、その場で購入可能にするサービス。キャプチャーした画像は同社が独自に開発したテクノロジーで解析され、類似した服がアプリ内で提案される。ユーザーは提案元のサイトに飛んで、購入を完了するという流れだ。
このアプリのアドバイザーを務めるリアリティ番組出身のスター、キム・カーダシアン・ウェストは「ScreenShopのアイデアは画期的だ。欲しいと思った服の購入をわずか数秒で完了することができる」と話す。
カーダシアンは運営元のCrazeの少数株を保有しているが、彼女とCrazeとの契約の詳細は明かされていない。
ScreenShopの共同創業者でCMOのMolly Hurwitzは「ファッション好きな一人の女性として、このアプリのアイデアを発案した」と述べる。Hurwitzはインスタグラムで見かけた気になる服をキャプチャーして、グーグルで検索するのが習慣だった。このプロセスを自動化する仕組みがあればいいのにと思ったという。
Hurwitzは以前、ウォールストリートのブティック型投資会社に努めており、当時の同僚たちとCrazeを立ちあげた。カーダシアンとは2016年に友人からの紹介で出会い、アドバイザー契約を結んだという。
ScreenShopの収益源は送客先のEコマースサイトから得るコミッション料と、アプリ内の"Discover"タブから得られる広告収入だ。パートナーサイトとしてファッションEコマース大手のFarfetchと契約を結んでいる。
Hurwitzと共同創業者らは当初、自己資金の60万ドルで会社を立ち上げたが、2017年5月には友人や家族から450万ドル(約5.1億円)の資金を調達した。
「ユーザーはインスタグラムで見かけた服と全く同じアイテムだけを購入する訳ではない。多くのユーザーがアプリでレコメンドされる、類似した服を購入している」と運営チームの一人は話した。
ScreenShopはまだ設立間もないサービスだが、Hurwitz らは手応えを感じている。2万人のベータユーザーらは週平均で5枚から6枚のスクリーンショットをアップロードしているという。
この分野での競合と言えるのは「LikeToKnowIt」だ。LikeToKnowItは1万2000名のインフルエンサーが参加し、自分が着用した服の写真を投稿している。また、「ShopStyle」もインスタグラムとEコマースを連携させる機能を提供している。
ScreenShopはCraze社にとって第一弾のアプリで、今後はさらに多様なアプリをリリースしていく計画だ。