ビジネス

2017.12.04

マーケターが陥りがちなデジタルツール活用の「罠」

APIWICH PUDSUMRAN / shutterstock

「うちのマーケティング部門は『忙しい』が口ぐせ。対応にも時間がかかる。デジタルマーケティングとは結果がリアルタイムで把握でき、プロセスの自動化も簡単にできるはずなのに、なぜできない?もしや、うちの担当者は・・・」 そういった状況に、マネジメント層はイライラを募らせてはいないだろうか。

あなたが現代のマーケティング部門に対し、スピード感や柔軟性が欠けていると感じるのには、実は理由がある。

デジタルマーケティングを取り巻く環境は、驚異的なスピードで変化している。米国では今、ひとりのマーケターが仕事をこなすために、平均91種類ものクラウド型ツールを併用しているという。

あなたが、「仕事が遅い」「報告が長い」と感じるのは、必ずしもマーケターの能力やセンスの問題だけではない。デジタルメディアやSNSなどの増加とそれらを活用するためのツールの増加と高度化、さらにはそこから得られるデータの爆発的な増加により業務が煩雑化し、マーケターは多忙を極めているのだ。
 
一方で、ツールの増加は新たな問題も引き起こしている。「データの分断化」だ。さまざまなシステムにデータが散在していることで全体像が見えなくなってしまったのだ。こうなるとマーケティング施策の効果検証を正しく行えないだけでなく、マーケターの判断も部分最適にしかならないため、その判断には合理性も欠けてしまう。
 
ではどうすれば、マーケターがテクノロジーからの恩恵を享受しながら生産性を高め、ビジネスを真の「全体最適」に導く判断ができるのだろうか? その答えはデータ活用にある。ここでは、その実現に不可欠なデータ活用の5つの視点を紹介しよう。
 
1. 全体像をリアルタイムに把握する

判断に必要なデータが手元に揃っていない場合、それをカンで補おうとするなど主観が入り込む余地が生まれる。そのような状況下で全体最適に導く的確な判断を下すことはできない。

まずは分断されたデータを集約し、必要となるデータを可能な限り可視化し、「ビジネスの健康状態」とも言える全体像を把握することが大切だ。そしてこれをリアルタイムに行う。当然手作業では不可能なため、ツール等を用いて自動化する。

こうしたインフラが整ってはじめて、全体最適につながる判断を迅速に、そして的確に行うことができる。
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文=斉藤 梨沙

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